大手メディア、自身のセクハラ被害アンケート報道せず 毎日・共同・東京は配信
【メディアのセクハラ被害アンケートの報道対応は各社で分かれた】
大手メディア、自身のセクハラ被害アンケート報道せず 毎日・共同・東京は配信
大手メディアの自身のセクハラ被害についての報道対応が分かれた。
性暴力の被害者と報道関係者らでつくる「性暴力と報道対話の会」は5月17日、メディア関係者のセクハラ被害のアンケート結果を公表した。
回答者(107人)のほとんどがセクハラ被害に遭い、性行為の強要が1割、性的な関係の強要が4割と深刻な実態が明らかになった。
毎日新聞と共同通信はアンケート結果を報道、東京新聞は分析も付けて手厚く報じた。
一方、朝日新聞・読売新聞・日経新聞・産経新聞・時事通信はメディアのセクハラ被害アンケートについて報じなかった。
朝日や読売など一部の大手メディアは「報道しない自由」を行使したかっこうだ。
共同通信がメディアのセクハラ被害アンケートについて報じたため、転電する形式で西日本新聞や北海道新聞、京都新聞など地方紙には配信された。
メディアのセクハラ被害、東京新聞は自社の経験も告発
福田淳一・前財務事務次官のセクハラ問題はメディアで働く女性の環境の厳しさを浮き彫りにした。
事件後、各社の女性記者から「セクハラ被害があった」という告発記事が相次いでいる。
東京新聞が自社の女性記者の経験を告発した4月24日朝刊の記事は壮絶だ。
女性記者は取材先の警察官から「一緒にお風呂に入りたい」、自治体課長からは「君をレイプしたい」などと言われたという。
メディアは世間に対して権力を持つと言われるが現場の若い女性記者にとって取材対象は官公庁や財界のトップクラスの権力者であり、力関係は明白だ。
大手メディア自身が業界内のセクハラを丁寧に報じていかない限り、問題の根本的な解決は遠いだろう。
・この記事の関連リンク
毎日新聞:メディアのセクハラ被害 95% 1割弱「性行為強要」
共同通信:セクハラ、96%が複数被害 メディア関係者アンケート
東京新聞:記者らセクハラ被害、複数回 周囲に相談できず65%
東京新聞:セクハラ無くす契機に 本紙女性記者の経験は