財務省トップのセクハラ疑惑 福田事務次官の他にテレビ朝日も加害者との声
財務省トップのセクハラ疑惑 福田事務次官の他にテレビ朝日も加害者との声
大手メディアの女性への扱いに対して大きな批判が起きている。
テレビ朝日は4月18日深夜、財務省の福田事務次官のセクハラ疑惑の被害者が自社の社員だと発表した。
福田事務次官がセクハラの事実を否定しながらも4月18日に辞任、その行動を看過できなかったという。
一方、テレビ朝日は被害者の女性社員からセクハラ被害を受けていたとの報告があったものの、適切な対応をとっていなかったと認めた。
今回の事件では疑惑が報じられている福田氏のほか、テレビ朝日の企業としてのセクハラ隠蔽体質も批判されている。
テレビ朝日の対応に批判、情報を得ることを優先した疑惑
【福田氏は18日深夜の会見後も「全体を見ればセクハラに該当しない」と主張した】
テレビ朝日はある女性が1年半前から財務省の福田事務次官と会食していたと説明した。
その女性は福田氏との複数回の会食での言動から身の危険を感じ、録音データをとっていたという。
女性は上司にセクハラ被害を訴えたものの「放送すると本人特定で2次被害が発生する」と上司個人が判断した。
テレビ朝日は女性のセクハラ被害よりも財務省から情報を得ることを優先したのではないかと、会社の対応に非難が集中。
女性は取材先から身の危険を感じるほどのセクハラを受けて上司に訴えたものの、そのまま取材の継続を会社に強要させられた可能性がある。
テレビ朝日の篠塚浩報道局長も「批判は甘んじて受けなければいけない」と反省した。
本人特定を防ぐため、被害を告発した女性を配置換えをしたかどうかについては4月18日深夜の会見では明らかにしなかった。
テレビ朝日は女性社員が取材で得た情報を週刊新潮という第三者に渡したことについては「不適切な行為で遺憾に思っている」とした。
これについても「被害者女性は上司が信頼できないため仕方なく週刊新潮に情報を提供した」との声は多い。
テレビ朝日の会見と福田次官の辞任発表の直前の4月18日の午後、日本新聞労働組合連合（新聞労連）は「『適当にうまくやれ』など記者に忍耐を強いる指示や黙認は、セクハラを容認しているのと同じ」と批判の声を上げた。
元朝日新聞の女性記者の秋山千佳さんは4月17日、フジテレビの番組「バイキング」に生出演して「取材相手に突然胸をわしづかみにされ、男性の先輩に相談したところ、『これくらい我慢しろ』といわれてしまった」と告白している。
4月19日発売の週刊新潮は被害者女性が自社メディアで発表すれば財務省からの情報リークがなくなり会社全体に迷惑がかかる、マスコミと官僚の悪しき慣習が女性を追い詰めたと言及している。
官僚からのセクハラ被害がテレビ朝日だけで他メディアの社員にもいるのであれば、大手メディア全体がセクハラ隠蔽体質だとの批判にも繋がるだろう。
識者の意見、ツイッターより
福田次官がスケベオヤジだったことは事実だろうが、単なる猥談を「セクハラ」とはいわない。それは相手が「逃げられない立場」だからハラスメントになる。本件の場合、そういう状況を作り出したのはテレ朝の上司だ。
— 池田信夫 (@ikedanob) 2018年4月18日
オフレコだから録音しているのはおかしいとか言う向きがあるけどそれ違うでしょ、と思った。セクハラからの自己防衛で録音するのは仕方ないしオフレコだから何を言っても良いわけではないことは江藤隆美や松本龍の発言報道の例を引くまでもない。
— 米重 克洋 (@kyoneshige) 2018年4月18日
密室空間のセクハラを立証するには証拠が必要なのに、記者がセクハラ被害を受けた場合、身を守る唯一の方法である録音すら「無断録音は問題」「第三者に渡したのは報道機関として不適切」と反省を求められる。さらに上司にはもみ消される。ではひとりの人間としてはどうやって身を守ればいいのだろう。
— 小林 明子 (@akiko_kob) 2018年4月18日
テレ朝の会見、ハフポストはじめネットメディアや雑誌は門前払い。何度も広報に食い下がったが「日頃からお付き合いあるところだけ」「場所の都合」で取材拒否。財研、放送記者クラブ加盟社のみ。そもそも週刊新潮が書いたことで明るみになった問題なのに。テレビ局の意識低すぎるのでは。
— 吉川慧/K.Yoshikawa (@dong_po_rou) 2018年4月18日
マツコ&有吉が終わってもテレ朝はやらない、お笑い番組のまま。フジテレビ以外はテレ朝会見をやっていない。
テレビ局は、政府から電波の帯域をもらって営業している政府御用達の出入り業者ということがあらためてよくわかった。 https://t.co/23he1GKGNk— 猪瀬直樹/inosenaoki (@inosenaoki) 2018年4月18日
