池上彰の選挙特番、2017年の総選挙ライブも池上無双

池上彰の選挙特番、2017年の総選挙も池上無双

2017年10月22日、日本の運命を決める衆議院議員の総選挙の投開票を迎えた。

各メディアの出口調査では安倍晋三首相率いる自民党の単独過半数が優勢と伝えられている。

小池百合子東京都知事が立ち上げた新党「希望の党」は現在の政権を脅かすほどの勢力にはならない見通し。

日本の先行きを決める総選挙で話題になるのがテレビ東京の「池上彰の選挙特番」だ。

タブーなく政治家、政党に質問する池上彰がインターネットを中心に人気を集めている。

生中継で緊張感のあった主な場面をまとめた。

目次

vs萩生田氏
vs細野氏
vs二階氏
vs小池・井上氏
vs中曽根氏
vs山口氏
vs石破氏
vs安倍氏
vs枝野・前原・小池氏
vs小池氏
vs岸田氏
番外編、小泉氏

加計学園問題の萩生田光一氏

・安倍晋三首相と加計学園の加計孝太郎理事長と一緒に缶ビールを片手にくつろいだ写真が広がった自民党の萩生田光一氏に向かって

池上氏
「写真のおかげで知名度が上がった、悪名は無名に勝るという効果はあったか」

萩生田氏
「写真は2013年に撮ったもので、上手に宣伝されてしまった」

池上氏
「この選挙結果で問題から解放されると思っているか」

萩生田氏
「一時は証人喚問まで言われた。これからも説明したいと思っている」

希望の党の細野豪志氏

・民進党を離脱、希望の党に入った細野豪志氏に向かって

池上氏
「民進党から新党合流の際に『三権の長にご遠慮いただく』としたのはなぜか」

細野氏
「新しい政党として出発する以上は言わざるを得ない」

池上氏
「同志を断ち切る、男を下げたという面はないか」

細野氏
「政策の一致が見られなかった、新党としてはこういう出発が党のあり方としては正しかった」

池上氏
「総理指名選挙は誰にするのか、全ては小池代表の言う通りなのか」

細野氏
「言う通りではなく党の規約であり、代表に権利がある」




自民党の二階俊博氏

・選挙を担当した自民党の二階俊博幹事長に向かって

池上氏
「安倍総理が自民党で最も政治的な技術を持った方と言っています」

二階氏
「私が権力を集めたわけではなく、好んで努力したわけではない。良い質問ではない」

池上氏
「複数の選挙区で調整がつかずに無所属で立候補させた。幹事長として無責任ではないか」

二階氏
「無責任じゃない。自民党内で協議したことであり、何も困ったことはない」

池上氏
「このような動きで老練な政治家と呼ばれるのではないか」

二階氏
「そう言われたことはない」

公明党の井上義久氏、共産党の小池晃氏

・公明党の井上義久氏、共産党の小池晃氏に向かって

池上氏
「公明党の中道の票が立憲民主党に流れたのではないか」

公明・井上氏
「公明党が自民党と連立政権を組んでることで自民党が拾えない声を集め、政権が安定している」

池上氏
「公明党は自民党と連立していることで右に寄っているのではないか」

公明・井上氏
「そうは思っていない。立憲民主党は従来の社民系の主張をしている。公明党がいることで幅広い民意が自公連立政権に集まっている」

池上氏
「共産党は小選挙区で立憲民主党を応援して比例代表では自分の党を主張、公明党が自民党にやっているような動きに見える」

共産・小池氏
「そういう動きではない。安倍政権は憲法をあまりにも軽んじているため、小選挙区は一本化して自公と戦わなければいけない」
「比例代表は競い合って伸ばしていく。やっていることは同じに見えるかもしれないが目指すところは違う」

池上氏
「立憲民主党の伸びに共産党の協力があるとすれば、共産党の力が強まる。そういう目論見はあるのか」

共産・小池氏
「損得勘定ではやっていない。市民のみなさんの声に応えてる。見返りは民主主義だ」

自民党の中曽根康隆氏

・元総理大臣の中曽根康弘氏を祖父に持つ中曽根康隆氏に向かって

池上氏
「中曽根家といえば何不自由ない名家だ。努力しないで比例代表で当選して民意を代表できるのか」

中曽根氏
「3年、4年と地元を回ってきた。その声を国政に届けたい」

池上氏
「小選挙区の候補とライバルになっていくが」

中曽根氏
「群馬、自民党という軸をもってやってきた。一人一人の話を聞くのが大前提、結果的にバッティングしても群馬のためになればよい」

池上氏
「小泉進次郎と同い年、同じ世襲候補だが意識しているか」

中曽根氏
「意識していない。勉強させてもらっている」




公明党の山口那津男氏

・公明党代表の山口那津男に向かって

池上氏
「今回の選挙が政権選択にはなりえなかった理由は」

山口氏
「民進党が分裂した。候補者の数、取り組み、すべての選挙区で対決姿勢をできなかった」

池上氏
「公明党は自民党と組んでいるため、改憲勢力とも言われるが」

山口氏
「改憲を否定していないという意味ではその分類だ。ただ、内容や方法で各政党に差がある」

池上氏
「安倍総理は憲法改正で自衛隊を明記すると言っている」

山口氏
「それは総理ではなく安倍総裁としての主張だ。自民党内で議論は集約されていない。憲法改正は国会で発議するため、与党も野党もない」

池上氏
「都議会では小池知事と協力してきた。国政では希望の党と対立した、これからどうするのか」

山口氏
「わが党は一貫している。東京都ではオリンピック・パラリンピックを成功させる。都政では議会、国政では国会、一貫して成功させる責任を負っているのが公明党」

池上氏
「2020年までは小池知事と協力していくのか」

山口氏
「そういうことです」

自民党の石破茂氏

・自民党の石破茂氏に向かって

池上氏
「石破グループでは苦戦しているのでは」

石破氏
「野党が共産党を含めて一本でこられるときつい。うち以外のグループでも苦戦はあるのではないか」

池上氏
「希望の党の小池百合子代表が石破さんを首相指名にするという報道もあった」

石破氏
「本人が言ったと直接聞いている人はいない。不思議なことだ」

池上氏
「石破さんの立場を悪くしたいと思っている人がいるのか」

石破氏
「それはいます。自民党に限らず人間社会にはそうひう人はいる」

池上氏
「来年の総裁選はでるのか」

石破氏
「それは手段であって目的じゃない。立候補はオリンピックじゃない。自分で納得するのが一番大事だ」

安倍晋三首相

・安倍晋三首相に向かって

池上氏
「第二次安倍政権では危機突破内閣、今回は国難突破解散。毎回危機を煽っているのでは」

安倍氏
「当時は経済が低迷して若い人が就職できなかった。行き過ぎた円高、日米同盟が危機的な状況。それは事実だった」
「今回の選挙は北朝鮮の脅威、もう一つは少子化。手を打たなければいけない、待ったなしの状況だ」

池上氏
「北朝鮮は情勢が変わったのは確かだ。ただ、少子化や子育ては2012年からずっと大きな課題、現時点で国難なのか」

安倍氏
「待ったなしになった。ある意味では人口減少は初めて本格的になった。今年の末にそのパッケージをまとめなければ手遅れになってしまう。財源を示して大胆に大きな改革を行っていく」

池上氏
「神戸製鋼や日産自動車の不正が明らかになり、日本経済の信頼が損なわれるのではないか、かつて安倍総理は神戸製鋼にいた」

安倍氏
「かつて神戸製鋼で工場勤務もした。品質を高めていくため忙しい中、みなさんが知恵を出し合い汗を流していた。それが日本の製造業の力だ。それを取り戻していきたい」

池上氏
「憲法改正論議が本格化する、自分が総理の間に成し遂げたいのか」

安倍氏
「リーダーシップも必要だが、国民の理解が必要。まずは国会で賛成してもらうようにしたい。与党だけで出来るとは思っていない」




立憲民主党の枝野氏、民進党の前原氏、共産党の小池氏

・立憲民主党の枝野氏、民進党の前原氏、共産党の小池氏に向かって

池上氏
「枝野さんはリベラル保守を名乗っている。これは正反対の概念ではないか」

枝野氏
「保守とリベラルは対立概念ではないのは政治では常識だ。リベラルは多様性を認める。日本の社会はもともとリベラルで右とか左の時代は終わった。上からか下から、草の根からという話だ」

池上氏
「共産党が立憲民主党に協力してくれた」

枝野氏
「市民連合の7項目に一致した政党がつぶしあいをしないようにという対応だ。共産党や社民党が直前に候補者を下ろしたのには敬意と感謝を申し上げたい」

池上氏
「前原さんのグループは枝野さんを下回る情勢だ」

前原氏
「私が民進党の代表になって52日しかたってない。解散したなかで野党協力か、小池さん含め新たな政党と手を結ぶのかという情勢だった」
「北朝鮮、中国とどう付き合っていくのか。日米同盟が大事だ。政権選択で日米同盟を破棄と言ってるとこもある。その結果、野党4党の共闘には乗らなかった」

池上氏
「民進党は丸ごと希望の党にいけなかった。みどりの狸に騙されたのではないか」

前原氏
「報道がひどかった。排除するリストなど不本意なものが流れた」

池上氏
「辞任する考えはあるのか」

前原氏
「現在は考えていない。会派は希望の党と組ませてもらおうと思っている。参議院の民進党をどうするのかは考えなくてはいけない」

池上氏
「ー立憲民主党に票をとられたのではないか」

小池氏
「選挙区の調整を行って戦った。立憲民主党が躍進したのは嬉しいこと」

池上氏
「共産党の応援あっての立憲民主党の躍進ではないか」

小池氏
「市民連合の7項目の合意があり、そのために力を合わせていく。候補者の一本化では67の選挙で候補者下ろすという決断した。これは野党が議席を増やす力になった」

希望の党の小池百合子氏

・都知事の業務でパリにいる希望の党の小池百合子代表に向かって

池上氏
「ー今回の結果はダメージか」

小池氏
「有権者の厳しい判断と受け止める。本来は安倍政権への不満の受け皿を目指していたが、希望の党への不満につながってしまった」

池上氏
「一番肝心のときにパリにいる。二足のワラジだとこうなるのではないか」

小池氏
「今は私が代表だが、勝ち上がったみなさんと話し合って、国会での代表を決めて国政の運営にする。現在は片肺飛行になっているが仕方ない」

池上氏
「希望の党の代表を降りる考えもあるのか」

小池氏
「維新の党は松井知事が国会議員とうまく連携、国会の代表で片山虎之助先生をいだいている。今回は衆院選で議員を決める選挙なので片肺飛行だった」

池上氏
「国会議員の中から代表を決めて、それを背後からコントロールするのでは」

小池氏
「その意思はない。都政を預かって改革すべきとこはたくさんある。金融では都と国での改革の場面が多い」

池上氏
「希望の党は憲法改正は賛成との意思確認をした。9条での自衛隊明記は賛成か反対か」

小池氏
「安倍総理は憲法論議に一石を投じたのだと思う。国民が主体なので国民的議論を進めるべき」

自民党の岸田文雄氏


・次の総理のアンケートで一般は8位、政治記者では1位になった自民党の岸田文雄氏に向かって

池上氏
「政治記者の次の総理にしたいアンケートで一位です」

岸田氏
「評価は自分でやるものではない。政治記者が評価していくれるのは嬉しいが、より自分を高めていきたい」

池上氏
「妨害が入るので目立とうとしていないのではないか。安倍さんからの禅譲を待っているのではないか」

岸田氏
「禅譲は考えていない。与えられた仕事を務め上げているだけ。現在の努力が将来のポストにつながる」

池上氏
「安倍さんの総裁がさらに3年、次の総理に4年近く待たなければいけなくなるが」

岸田氏
「安倍総理を先頭に今回の選挙は国民のみなさんに政権を選んでもらった。ありがたい結果で安定政権を作らなければいけない」
「来年秋の自民党総裁選については答えを控えなければいけない」

池上氏
「次の総裁選で安倍さんを支持するということはおっしゃらないのか」

岸田氏
「1年先のことはおっしゃるべきではない」

番外編、小泉進次郎氏

・総選挙前の事前収録と生中継、自民党の小泉進次郎氏との主なやり取り

池上氏
「他の選挙区の応援で人寄せパンダに使われるんだという思いはないか」

小泉氏
「シャンシャンに負けずに役割に応える」

池上氏
「今回の選挙の大義、消費税の値上げや少子化対策、北朝鮮。演説ではこれに触れていないのではないか」

小泉氏
「私は自分の言いたいことを言っている、アベノミクスもあまり言っていない。次の時代を考えて、ポストアベノミクス・オリンピックを考える。私の世代では当たり前のことだ」

池上氏
「いまの選挙が国難といえるのか」

小泉氏
「私だったらつけない。信頼回復どうかできるか選挙、加計学園の問題含めて、不信は全国で根深い」

池上氏
「安倍一強で批判できなくなってる共産党のような体質ではないか」

小泉氏
「たしかに共産党はぶれない。ただ、私は言ってるけど報じてもらえない。新聞の軽減税率についても報じてくれない」
「新聞の主張が筋が通ってるどうかは大事なもの。消費者が新聞の税率をあげたら困るというならわかるが事実は逆だ」
「テレ東は日経新聞に気をつかうかもしれないが」

池上氏
「全然そんなことはない」

小泉氏
「報じてもらえないこともある。どうやったら伝えられるのか。今は誰もがテレビを見てるわけじゃない、ネットで革命をしている人もいる、新聞を読んでいない人もいる」
「トランプ大統領がツイッターをしたり、自分でリアルニュースをしたり考えさせられる」

池上氏
「政治家を続けてきた、汚れちまったなと思わないか」

小泉氏
「トランプ、プーチン、習近平、金正恩。綺麗事では生きていけない、必要な能力を身につけないといけない」
「純粋な気持ちが世の中を動かす場面もあるが政治の世界では駆け引きがうまくないとできない部分がある」

池上氏
「この前の内閣の改造で大臣の要請はあったのか」

小泉氏
「それはない。この世界では『巷の噂で』と言っている人が噂を流している」




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