東芝に6000億円出資したのは誰か 海外の年金基金やサーベラス、ハーバード大まで・まとめ一覧
東芝に6000億円出資したのは誰か 海外の年金基金やサーベラス、ハーバード大まで
東芝は11月19日の日曜日の19時、株式市場から6000億円の資金を調達すると発表した。
会社に資金が入ることで2018年3月期末の2期連続の債務超過を回避して上場廃止を免れる見通し。
東芝は元米原子力子会社のウエスチングハウスの破綻に伴う費用を東芝が負う約6600億円の保証債務を抱えている。
6000億円もの調達資金で費用を一括返済、会計上での財務改善が進む。
今回の東芝の増資は極めて稀な事案だ。
約60もの海外の機関投資家などが資金の出し手となっている。
ゴールドマン・サックス証券の海外関連会社が海外の機関投資家と個別に交渉して東芝への増資案件を実現した。
東芝に出資した約60もの機関投資家の概要をダイアログニュースがまとめた。
目次
・1~15位、ケイマン諸島の投資ファンド
・16~30位、エフィッシモが筆頭株主
・31~45位、グローバル・マクロ投資やサード・ポイント
・46~60位、アジアの大手政府やハーバード大
ケイマン諸島の投資ファンドが主流、出資者は海外の年金基金など
・東芝に6000億円出資したファンドの内訳(1〜15位)
東芝の6000億円の増資を引き受けた主体は適時開示で発表された。
ただ、増資の引受先はファンドが主流で、各自のファンドの出資者は明確に記載されていないケースが多い。
多くはケイマン諸島に設立されているファンドで、出資者には米国の企業年金基金や年金基金などの記載があった。
6位には日本の西武ホールディングスに出資した米投資会社のサーベラス、12位にはドイツ銀行の子会社が運用するファンドの名前がある。
エフィッシモが筆頭株主、財団やオーストラリアの機関投資家も
・東芝に6000億円出資したファンドの内訳(16〜30位)
17位にはデラウェア州の全額が民間投資ファンド、22位にはルクセンブルク法のファンド、28位にはヴァージン諸島のファンドもあった。
19位のファンドの業務執行組合員は旧村上ファンド出身者が設立したエフィッシモ・キャピタル・マネージメントで、同ファンドはこれまでの投資と合計すると議決権の割合は11.34%と東芝の筆頭株主になる。
21位のファンドは機関投資家のほかに財団も出資しているという。
ファンドが出資しているファンドも多く、その内容は公表資料からは明らかにされていない。
グローバル・マクロ投資やサード・ポイントも
・東芝に6000億円出資したファンドの内訳(31〜45位)
38位には世界中の国や地域の経済見通しに基づいて大規模な投資を行うグローバル・マクロ投資のクオンタムファンドの名前がある。
44位にはソニーの映画や音楽事業の分離上場を迫った米有力ヘッジファンドのサード・ポイントもいた。
米国の大手公的年金基金が出資するファンドから日本企業にも影響力を持つファンドまで、さながら外資系ファンドのオールスターと言った顔ぶれだ。
アジアの大手政府系やハーバード大まで
・東芝に6000億円出資したファンドの内訳(46〜60位)
米国やオーストラリア、ドイツが目立つ中で48位はアジアの大手政府系のファンドだった。
ジョージ・ソロスのクオンタム・ファンドやサード・ポイントは異なる複数のファンドで東芝に出資した。
56位のファンドはハーバード大学の学長やフェロー(特別研究員)が出資するファンドもあった。
東芝の6000億円の増資は国内では困難だったために海外の機関投資家をかき集めるという異例の形式となった。
東芝に出資する主体は海外の年金基金など長期の収益獲得が目的のファンドが多い。
東芝の増資は日本の株式市場の在り方や制度、国内外の金融機関の問題など多くの議論を巻き起こしていきそうだ。