ソフトバンク、決算会見ハイライト 営業利益6割増の1.4兆円 孫会長「サウジ国民への責務を果たす」

【ソフトバンク、第2四半期の決算短信より】

ソフトバンク、決算会見ハイライト 営業利益は6割増の1.4兆円  孫会長「サウジ国民への責務を果たす」 2018年4〜9月期

ソフトバンクは11月5日、2018年4〜9月期の決算を発表した。

売上高は前年同期比6%増の4兆6538億円、営業利益は62%増の1兆4207億円、純利益は約8倍の8401億円だった。

営業利益の大幅増には好調なビジョンファンド、エヌビディアなど投資先の価値上昇が寄与した。

前年同期は会計上で大幅な損失だったアリババ株に関するデリバティブ損益の影響で、純利益は大幅に増えた。

(注:市場でのアリババの株価が上昇(下落)するとソフトバンクの会計上は利益が減少(増加)、デリバティブ取引の最終期間でフラットな損益に戻る)

市場の注目は10兆円ファンドともビジョンファンドに関わっているサウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子だ。

ジャーナリストのジャマル・カショギ氏の殺人事件についてムハンマド皇太子に世界の注目が集まっている。

孫正義会長兼社長は決算会見の冒頭、カショギ氏の事件について言及。

孫会長はサウジからの資金を既に預かっていることから「サウジ国民の皆様への責務を果たすべきだと思っている」と話した。

16時からの孫正義会長の決算会見のハイライトをリアルタイムで更新した。

目次

冒頭説明
決算説明
質疑応答
携帯料金
サウジ
その他

ソフトバンク決算、冒頭で異例のサウジ問題について言及

サウジPIFとの関係、カショギ氏の事件がどのような影響を与えたのかを先に一言述べる。

今回の事件は決してあってはならない、大変に悲惨な事件だと認識している。

カショギ氏個人の大切な人生に加えて、ジャーナリズム、言論の自由に対する大変な問題。

この事件に対して強い遺憾の意を示したい。

一方、私たちは既にサウジ国民から投資資金を預かっている。

この資金はサウジ国民がオイルに頼ることのない、経済の多様化のための大切な資金。

そういう責務を負った資金だ。

サウジ国民の皆様への責務を果たすべきだと思っている。

しっかりと事件の真相究明、その説明がされることを心から願っている。




ソフトバンク決算、第2四半期 冒頭説明

ビジョンファンドが好調、今までソフトバンクが体験したことのない利益を出せる。

来年には今年の規模をはるかに超え、日本経済が体験したことのない営業利益が出せると内心思っている。

Weworkジャパンは急激に伸びており、既に利益が出てきた。

国内携帯事業は低価格化に対応しながら利益を出していく。

携帯のソフトバンクは2019年度以降も増益を目指すため、人員を4割削減する。

涙で人員を減らすのではなく、笑顔で新しいことを始められるように成長事業へシフトしていく。

韓国、インドネシア、タイでのECサイトは急激に伸びている。

質疑応答、携帯料金について

ーードコモが4000億円還元する
「顧客還元を行いながら増益を実現させたい」

ーードコモのような大幅値下げをするのか
「43%のデータの無料カウントは実質的に4割値下げ。9月の分離プランで20〜30%値下げ済み。さらにどうするかは今後の検討」

ーー菅官房長官の携帯料金4割下げる余地あるとの発言
「真摯に受け止めて対応する。安いワイモバイル、多くのデータを求める顧客向けにソフトバンクモバイル。両方の提供を推し進めていきたい」

ーーワイモバイルの分離プランについて
「来年の上期あたりに対応したい。月1980円の通信料金は既に安いが、さらに1〜2割下がると思う」

ーー携帯事業で4割の人員削減の時期は
「具体的に決まっていない。これから2、3年かけて」




質疑応答、サウジでのカショギ氏事件について

ーーカショギ氏事件でビジョンファンドの今後は
「まだビジョンファンド1のお金が残っており、ビジョンファンド2は時期尚早。ただ、大きな流れは変わらず拡大していく」

ーーカショギ氏事件で躊躇は全くなかったか
「既に預かっている資金の責務を果たしていかなければならない。事件の真相究明がしっかりと行われて、説明があった後に改めてもう一度考える」

ーーサウジに赴いたようだが
「皇太子、多くの大臣と会った。懸念を表明して真相究明を依頼、真摯に対応してもらった」

ーーサウジ関連の資金を嫌がる投資先は出てきていないか
「ビジョンファンドのお金を受け取りたくないとか、そういう話はあまり来ていない。若干の影響はあろうけども」

質疑応答、その他

ーー米中貿易戦争など世界経済の影響
「我々の投資先は米国に3割、中国に3割、その他が4割。偏らず中立に政治色を出さずに投資を続けていく」

ーーアームについて、リスクファイブが台頭している
「アームのロイヤリティーは1セントや2セント。その節約で無償のオープンソースを使うセキリティリスクを負えるのかは問題になるだろう」

ーーペッパーの法人モデル、契約更改で苦戦では
「人型ロボットの将来は30年、100年と続いていくもの。有効活用できるよう機能改善していきたい」

・この記事の関連リンク

ソフトバンク:第2四半期 決算短信



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