実況速報・ソフトバンク2月7日会見 孫正義社長「300年成長するための戦略的持ち株会社に」

ソフトバンク、2017年4〜12月期の営業利益は24%増の1兆1488億円で過去最高

ソフトバンクグループは7日、2017年4〜12月期の連結決算を発表した。

売上高は前年同期比3%増の6兆8112億円、営業利益は24%増の1兆1488億円と同期間では過去最高、純利益は20%増の1兆149億円だった。

米子会社のスプリントの業績改善、米法人減税の影響、10兆円ファンドも好調だった。

ソフトバンクグループは国内外の子会社の業種が多岐にわたる上、中国のアリババ株売却に伴うデリバティブなどが複雑に絡むため決算を読み解くのは日本で一番難しいと言われる。

孫正義社長が語る未来をどう評価するかが投資判断の決め手になる。

孫正義社長が2月7日に16時30分から開く会見をリアルタイムで更新、実況速報する。

なお、ソフトバンクグループは15時に携帯子会社のソフトバンクの上場準備を始めると発表した。

携帯会社のソフトバンク株の一部をグループ外部に売却して資金を調達、さらなる成長投資を狙う。

15時からの大手メディア向けの記者会見で孫社長は上場時期について「1年以内に行いたい」と述べた。




実況速報、ソフトバンク2月7日会見 〜会見の前半は孫社長のプレゼンテーション〜

・純利益
「実質的な純利益の伸びは39%増。アリババの株が上がると会計のデリバティブの損失が一時的に出る。6621億円の累計の損は来年の6月にそのままデリバティブ益として出てくる。時期のずれであり、損と同じく益も確定している。デリバティブ損は実質ゼロ」
「売っていないアリババ株の方が多い。アリババ株が上がるほど実質的な含み益が出てくる。上がった方がソフトバンクの株主にとって確実に得をする」

・財務状況
「米国金利がこれから上がって、ソフトバンクは借金多すぎて大丈夫かと言われる。我々はネットバブルを経験してきた。倒産するのか、と言われる苦しみを味わってきた。もう一度、株式市場の暴落がないとは想定してはいけない。負債のバランスについては慎重にマネージする」
「EBITDAに対して3.5倍までは健全だと思っている。現在は2.8倍だから安全な範囲の負債だ」

・スプリント
「売り上げは横ばいだがコスト削減は順調に進んだ。ネットワークもスピードが60%改善した、次世代ネットワーク戦略も進めている。ケーブルカンパニーとも提携戦略を進める。5Gを最も活用する会社になる」
「2.5ギガヘルツの5Gで、誰よりも早く強力なネットワークを提供していく。他社はもともと持っている周波数の数が少ない、4Gで埋まってしまっている。スプリントは他社よりユーザーが少ないのに電波を一番持っている。ここで一気に全米最強のネットワークを作ることができる。スプリントのネットワーク逆襲が始まる」

・ヤフー
「広告も順調に伸びている。リードするのに経営陣の若返り、川邊君が社長になって攻めに入る」

・アーム
「モバイルでは圧倒的なシェア、売り上げ7%伸びている。新しいチップの設計ができたので、これからさらに加速する。新しいチップでサムスンとも契約が決まった。サーバー、HPCの分野、任天堂のスイッチ、IoTその他でも続々と浸透し、オセロの四隅の一つを取った」

・アリババ
「この規模でまだまだ伸び盛り」

・フォートレス
「ファイナンスの陣容の強化、ノウハウの強化、投資のプラットフォームの強化」

・ビジョンファンド
「ソフトバンク2.0で最も大事。この三ヶ月間でさらに6社、合計26社がビジョンファンドの投資先、ソフトバンクファミリニーに加わった。ほとんどがユニコーン、すでにユニコーンかもうじきユニコーンになる会社」

・ビジョンファンドで買った会社
「コンパス、不動産。日本では3%が家の売り手と買い手で代理店に手数料が入るが、アメリカでも6%のマージン。より効率的に売買するプラットフォームを作る。急激な勢いで伸びている。この会社が大いにユニコーン」
「もう一つは自動車。ヨーロッパ最大の中古車のプラットフォームのオートワン。中古車は一台一台がユニーク、値段が違う。インターネットに向いた商品。ヨーロッパでは4年間で販売台数が42万台に」
「カテラ、住宅をトータルにインテグレイトする。フルにITのパワー、デザイン設計から部品調達、工期が2,3年かかっていたのが1年で完成する。コストも一気に下がる。設立して数年だが急激に伸びている」
「ワグ。アメリカは子供の数よりペットの数が多いと言われる。散歩させてあげる人としてあげる人のマッチングプラットフォームを作った。この2年でゼロからアクティブユーザーは5万8000人。ウーバーの犬版。創業者は若いがソーシャルゲームを開発した会社が、」
「ピーアン保険は中国で最大の保険。その子会社としてグッドドクターという会社がある。ここは24時間、ピーアングッドドクターだけで仕事している医者が1000人近くいる。登録ユーザーが1億9000万人、オンラインでお医者さんが専門にやっている、処方箋がだせる、医薬品の販売ができる、配送までできる。これがビジョンファンドの仲間入り」
「ヘルスコネクト。病院での保険が非効率的でめんどくさい。病院は書類整理だけで大変な手間とコスト。あらゆる病院に丸ごとプラットフォームを提供、ピーアン保険だけでなく政府系の保険も一括して総合病院に保険の一括手続きをするプラットフォームを作った。これも仲間入り」

・ウーバー
「すでに1日あたり4500万回の乗り降りをグループ全体として提供している。世界のマーケットシェアを計算してほしい。これらに全て筆頭株主」

・群戦略
「世界で投資先に51%以上の株を持たない、ソフトバンクブランドを使わない。ジャックマーにアリババを51%くれと言ったら投資できていない。SBなんたら、ソフトバンクなんたらの社名を付けると売却もできない。10社、100社とその国か世界でナンバーワンの集合体を作るのは言うは簡単だが、実行は難しい」
「群戦略と似て非なるのが日本の財閥経営。戦前は戦う市場が国内だった。だが、市場の競争は世界になった。いま、彼らの位置付けはどうか。世界で一位をいくつ持っているか。全部持っている企業群の全部が世界一は不可能です。結果、世界で5位、7位の集合体。グループだから優先してファミリーのサービスを使う、すると弱者連合になる。1位の製品ではなく8位のファミリーカンパニーの電池を使おうとなる。これは強い組織体ではない」
「群戦略は300年間成長するためにはどうしたらいいかを考えてきた。明確に狙って組織体を作り上げてきた、それがソフトバンクの群戦略。ソフトバンクは戦略的な持ち株会社」

・ソフトバンク上場
「なぜ親子上場するのか、ルール違反じゃないか、世界の時勢に合わないとの批判はある。私はそんな小さなメリットで考えていない。そもそも論としてソフトバンクの群戦略があるんだ。戦略的な持ち株会社であるなら、オペレーティングカンパニーは独立自尊していた方が良い。ソフトバンクグループとソフトバンクKKとの役割分担。KKは自律的で機動的な成長を行っていく」
「上場するとデメリットもある。上場するとKKのキャッシュフローを使いにくくなるんじゃないかとある。ただ、配当を充実させて持ち株会社のさらなる成長の資金にまわしていく。配当であれば一般株主が加わっても、親会社と平等に配当を受け取ることができる、利害が反することにならない」

・ソフトバンクKK
「ワイモバイルもソフトバンクもスマホが伸びている。ユニクロとジーユーのような形。ソフトバンクモバイルとヤフージャパンは今後、何をするのか。攻めは何をするのかの答えがビジョンファンド。1年で26社のユニコーン、予備軍が加わった。世界のトップ企業が今後は100社になる。ビジョンファンドで本体に出資、あとにウィーワークのようにジャパンを作る。そのジョイントベンチャーの相手がヤフージャパン、ソフトバンクKKである。両方が受け皿になって、ジョイントベンチャーを日本に続々と作っていく。それが日本で成長する戦略」

・結論
「ソフトバンクは群戦略をやるんだ。20年前から言っていたが注目されなかったし理解されなかった。なぜソフトバンクKKを上場するのか、ビジョンファンドを作ったのか。それは300年成長するための群れ、組織体を作る。財閥とは違う。全く新しい群れの戦略を私なりに作った。これが300年成長するための私なりの答え」




実況速報、ソフトバンク2月7日会見 〜会見の後半は質疑応答〜

ーーソフトバンクKKは3位で1位ではない、宮内社長にバトンタッチは必要じゃないのか
「宮内が社長になり継続して応援していく。自律的に成長するため宮内に権限を移譲、すでに宮内が中心。私も宮内も永遠ではない。後継の体制を作っていくが、上場に向けてやっていけるのは宮内。指名打者で」

ーー上場するのは資金の使い道があるのでは
「成長戦略には色々ある。ビジョンファンドが既に100億円以上の案件はパートナーに報告する。ビジョンファンドとソフトバンクグループのコンフリクトを懸念するコメントを見るが、ソフトバンクとビジョンファンドは契約でコンフリクトを解決するのは決まっている。100億以上は必ずビジョンファンドにオファーする。通信との関係が強すぎる場合はビジョンファンドではパスする。そういう権利が私たちに与えられている。中核に考えているのはビジョンファンドを中心にナンバーワン戦略を続けていく。」

ーー群戦略を考えたきっかけは
「ソフトバンクを創業する時から考えていた。後付けと思う人も多いだろうけど、19歳の時に人生50カ年計画を作った。40代で一勝負、50代でビジネスモデルを確立、60代で継承していく」
「事業家として会社を起こす。その会社は私の人生の期間を越えなければいけないと思っていた。やる以上は私の人生を長く超える、その時は300年という数字はなかったが。少なくともソフトバンク創業時から群戦略を考え、イチアプリケーションを自分で書くよりも、製品を開発するより、多くの人が作ったものを分け合う、そういうプラットフォームがよい。そのために社名をソフトのバンクとした」

ーー考え付いたのはどういう場面か
「19の時に発明した製品を販売するまで持っていく苦労、胃の痛い思いを体験した。こんな苦労はラッキーで当たればいいが、そんなラッキーが毎回続くわけない。それよりも幅広く安全に事業としてやれないか。そう考えて答えは群戦略しかないなと思った」

ーーLINEモバイルとワイモバイルの関係は
宮内社長「LINEは非常に便利。LINEは顧客をもっと増やしたい。我々は性能が良くて安いものを提供できる。マーケティングで一緒にやっていける。ワイモバイルをやった時もソフトバンクがやられてしまうと言われたが、ユーザーはたくさんいる。三つ目のポジションを作っていけると思っている」

ーー楽天の携帯事業の参入をどう見ているか
「情報革命には色んなプレイヤーがそれぞれの役割を果たす。楽天も情報革命を牽引する立派な革命家。楽天らしい形での参入は市場を刺激する。我々も業界を革新していきたい」

ーースプリントの設備投資はATTやベライゾンに比べれば下回る。5Gに向けたスプリントの設備投資は
「既に基地局を持っているので5G用に割り振る。ソフトウェアのアップグレード、追加のアンテナ、できる部分がたくさんある。予算の中で5Gのネットワークを構築できると計算している」

ーー日米で通信のインフラを持ち続けている理由は、他の国でも通信レイヤーは必要ではないか
「通信は情報革命の重要なインフラになる。そのインフラの上にIoTの機器がぶら下がっていく、コアの事業だ。スプリントがどんな形で進化するにしても、合従連衡があるとしても、米国という大きな市場で重要なインフラに継続して関わっていきたいと思っている」

ーーアジアやヨーロッパでは?
「機会があれば打って出るかもしれないが、余力があればそのタイミングで検討する」

ーー亡くなったシャープの元社長で孫社長の恩人の佐々木さんについて
「19歳の時に発明した電子辞書、ライセンス契約した時が最初で、相手方が当時は専務の佐々木さんだった。それから、アメリカに佐々木さんが来るたびに必ず食事をして、ソフトバンクを開始してからも食事に呼んでいただいた。親戚でもない、投資家でもない、お客さんでもない人が懇切丁寧にアドバイスをして頂いた。こんなありがたい人はいない。六代恩人感謝の日を作ってやっているが、5月2日はソフトバンクの祝日にしている。102歳で亡くなられたが、最後まで最先端の技術に対して思いを深く掲げていた。恩人、尊敬する方であるのは間違いない」

ーーLINEモバイルで本体との取り組みはもっとあるのではないか
「ワイモバイルも強化していく、宮内を中心にもっとやっていきたい、攻めのブランド」




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