糸井重里氏の「ほぼ日」上場へ 柔らかいIPO、年間売上高は37億円
糸井重里氏の「ほぼ日」上場へ 年間売上高は37億円
【ニュース】
コピーライターの糸井重里氏が代表取締役の株式会社「ほぼ日」が上場する。
2月13日に東京証券取引所が上場を承認、3月16日にジャスダックに上場する。
ニュース目次・ほぼ日について
・ほぼ日、正式にジャスダックに上場 手帳の売上高は全体の7割(2月13日)
・主な収益源は「ほぼ日手帳」(2月6日)
・柔らかいIPOは可能か(2月6日)
・ほぼ日の業績
ほぼ日、正式にジャスダックに上場 手帳の売上高は全体の7割
【ニュース】(2月13日)
株式会社ほぼ日が申請していた上場の承認がおりた。
2月13日に公表された有価証券届出書によると2016年8月期の売上高は37億円で「ほぼ日手帳」は全体の7割を占めた。
インターネットが普及し、新聞など紙媒体が低迷していく現代で手帳屋さんが新規上場するという事態になった。
「事前報道通りにほぼ日が上場するわね。手帳が主力とは言われていたけど、まさか全体の7割がほぼ日手帳なんですね」
「株式会社ほぼ日はウェブサイト『ほぼ日刊イトイ新聞』を運営している。ただ、ほぼ日手帳はウェブサイトを飛び越えて熱心なファンを掴んでいる」
「手帳だけでIPOをする企業なんて怖くないかしら?」
「手帳自体の市場は根強い。スマホが普及している昨今でも手帳を持っている人は多いだろう。スマホは多機能だが、日程管理に特化してどんな場所でも使える手帳の需要はまだまだあるよ」
「スマホのカレンダーって使いにくいですもんね。仕事中にスマホばっかりいじっていると遊んでいるみたいだし」
「ほぼ日手帳は海外展開も進んでいるよ。中国のSNS『Weibo』をきっかけに人気が出てきて2016年8月期は全体の売り上げの1割にあたる3億7918万円を中国で販売した」
「手帳もグローバルで売れる商品なんですねえ」
「ほぼにちわやで。売り上げの7割がほぼ日手帳って、ほぼ『日手帳』に読めるって混乱が起きとるぞ」
株式会社ほぼ日の主な収益源は「ほぼ日手帳」
(画像:ほぼ日刊イトイ新聞)
【ニュース】(2月6日)
コピーライターの糸井重里氏が運営するウェブサイト「ほぼ日刊イトイ新聞(通称:ほぼ日)」が上場企業となりそうだ。
糸井氏はかねてから「ほぼ日」の上場への意欲を示していた。
株式上場して資金を集めて儲ける企業へと目指すのではなく、「柔らかいIPO」を主張する糸井氏による株式会社の新規上場が注目を集めている。
人気ウェブサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」を運営する、ほぼ日(東京・港)が東京証券取引所に上場申請したことが6日、分かった。早ければ3月にも新規上場する見通しだ。
(日経新聞電子版、2月6日付)
ほぼ日刊イトイ新聞:リンク
「糸井さんのほぼ日が上場するんですってね。個人が運営するウェブサイトが上場するのって変な感じです」
「ほぼ日は糸井さんだけでなく、社員は60人超の株式会社だよ。糸井さんが引退しても会社が存続できるように株式上場するようだね」
「ほぼ日ってマッタリしている感じのサイトですよね。あんまりガツガツお金を稼いでいるようには見えないんですけど」
「ほぼ日の主な収益源は『ほぼ日手帳』だ。年間で60万部を発行、1冊で2160円だから単純計算でほぼ日手帳だけで13億円の売り上げになる」
「さらに、ここからほぼ日手帳用の高価なカバーなどの売り上げもある。全て自前で販売しているだけあって売上高純利益率は8%と高い」
「ほぼ日ってけっこう稼いでいるんですね! でも手帳が主な収益源ってバランスが悪くないですか?」
「ほぼ日手帳に関してはリピーター率も高そうだ。ほぼ日手帳は書くことが好きな人にとって、普通の手帳以上の魅力があるからね」
柔らかいIPOは可能か
【ニュース】(2月6日)
株式会社ほぼ日の糸井重里代表は時事通信の取材(2015年5月5日)に対して「いろいろなことが試せる『柔らかいIPO』をしたい」と語っている。
ほぼ日の篠田真貴子最高財務責任者(CFO)は以下のように語る。
記事はすべて無料で、広告は一切掲載していません。
それでどうやってこれだけの利益をあげているのかと言えば、オリジナル商品の企画・販売です。
直販比率が65%と非常に高い。
それまで勤めていた外資系企業から2008年にこの会社に移って来て、何に一番驚いたかと言えば、その数字がロジカルにたたき出されているようには、とても見えなかったことでした。
(日経新聞電子版、2016年8月18日)
「糸井さんの運営するサイトが上場、って言うと珍しいけど、実際にはしっかりしたECサイトなんですかね」
「広告を使わず、糸井ブランドを守ってリピーターを獲得する戦略は一つのビジネスモデルだろう。ガツガツしているよに見えないというのはファン獲得の一つの手法だね」
「ほぼにちわ。ゆーて、糸井重里氏が会社辞めたら売り上げ激減するんじゃないのけ?」
「それは誰もが思う会社のリスクだね。ただ、これまでの糸井氏の発言を見る限り、自分がいなくなっても会社が存続できるように株式上場をするのだろう」
「愛しさと切なさと糸井重里やな」
「なに、それ? なんかの歌詞?」
「篠原涼子の『恋しさと せつなさと 心強さと』の替え歌のネタやぞ」
株式会社ほぼ日の業績
・2016年8月期
売上高:37億6700万円
純利益:3億500万円
利益剰余金:19億8000万円
・2015年8月期
売上高:32億4000万円
純利益:3億400万円
利益剰余金:17億6500万円