大和証券、仮想通貨参入の本気度 傘下のマネーパートナーズはビットコイン取り扱いを金融庁に登録済み
証券2強の1角の大和証券、仮想通貨ビジネスの参入に意欲
国内証券業界の二強の一角が仮想通貨市場の参入に意欲を見せた。
サンケイビズは5月23日、大和証券グループ本社の中田誠司社長の仮想通貨に関するインタビュー記事を配信した。
中田社長は仮想通貨に関して「環境整備のために大手企業が参入しなければいけない時機がいつかくる」と指摘、「インフラとして育てていくためのビジネスに参入の機会があれば検討する」と意欲を見せた。
社長がインタビューで話すだけでなく、大和証券は仮想通貨ビジネスに関して既に動きを見せている。
大和証券はコインチェックの買収にも関与、傘下で外国為替証拠金取引(FX)のマネーパートナーズは正式な仮想通貨交換業者だ。
野村証券と並んで国内証券業界の中心の大和証券が仮想通貨市場に参入するようであれば、その影響は大きい。
大和証券傘下のマネパ、ビットコイン取り扱いを金融庁に登録済み
東証1部上場企業のマネーパートナーズ(マネパ)の筆頭株主は17.85%の株式を持つ大和証券で、取締役も派遣している。
このマネーパートナーズは2017年9月29日、金融庁に仮想通貨交換業の登録を済ませた。
仮想通貨交換業者は金融庁に取り扱う仮想通貨の種類の申請が必要で、マネーパートナーズはビットコイン(BTC)の取り扱いを登録している。
市場の混乱を受けて、マネーパートナーズはこの4月に仮想通貨関連ビジネスの開始時期を「2018年春」から「未定」に変えた。
傘下企業による慎重な市場への参入ではなく、大和証券は一気に仮想通貨市場で国内1位になろうとする動きも見せていた。
4月6日の日経新聞によると大和証券は2017年にコインチェック証券の立ち上げを模索、その延長で2018年1月の事件後のコインチェックを支援する交渉も進めていたという。
これらの動きから、大和証券の仮想通貨市場に参入する本気度が伺える。
2018年3月時点で国内の仮想通貨投資家は350万人で20〜40代が7割を占める。
大和証券が仮想通貨ビジネスに本格参入すれば、すでに顧客となっている高齢層の資金も市場に流入しそうだ。
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