株主総会2017、日程一覧と議論まとめ
株主総会2017、主要企業のスケジュール一覧と議論まとめ
日本の主要企業の2017年の株主総会の季節がやってきた。
3月期決算の企業は3月末に決算を締めた後に株主に報告する財務情報をまとめるため、6月に株主総会が集中する。
本来、株主総会は会社の経営陣と株主にとって最も重要なイベントだ。
金融庁が定めた責任ある機関投資家の諸原則「日本版スチュワードシップ・コード」により大手の機関投資家も漫然と経営陣の議案に賛成するだけの存在ではいられなくなってきている。
議決権行使助言会社の大手2社、米インスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)と米グラスルイスの方針も話題になりそうだ。
目次・株主総会2017
・2017年の株主総会カレンダー
・どうなる、2017年の株主総会(5月28日)
・株主総会ニュース
・議案での賛成比率まとめ
日本の主要企業、2017年の株主総会カレンダー
・14日(水)
トヨタ
・15日(木)
ソニー、ホンダ
・16日(金)
JPX
・18日(日)
マネーパートナーズ
・19日(月)
バンダイナムコHD
・20日(火)
NTTドコモ
・21日(水)
カルビー、ヤクルト、カカクコム、三越伊勢丹、コーエーテクモ、日立、ジャパンディスプレイ、三井物産、西武HD、KDDI、ソフトバンク
・22日(木)
そーせい、日本郵政、三菱重工、
・23日(金)
JFEHD、三菱自動車、サイバーダイン、エイベックス、伊藤忠、三菱商事、野村HD、JR東日本、JR東海、ヤマトHD、JR九州
・24日(土)
DeNA、ライザップ、弁護士ドットコム、ベネッセHD
・25日(日)
アミューズ、ワタミ
・26日(月)
力の源HD、じげん、
・27日(火)
ミクシィ、スタートトゥデイ、新日鉄住金、日野自動車、テレ東HD
・28日(水)
武田、フジホールディングス、東映アニメ、マツダ、タカラトミー、大和証券、コナミ
・29日(木)
森永製菓、森永乳業、博報堂、野村不動産、オリエンタルランド、出光興産、パナソニック、ファナック、村田製作所、スズキ、黒田電気、任天堂、三菱UFJ、三井住友、三井不動産、三菱地所、住友不動産、東急、日通、TBS、日テレ
どうなる、2017年の株主総会(5月28日)
「ついに2017年の株主総会がやってきますね。総会と言えば最近は東芝の話題ばっかりですけど、今年はどんな企業が注目を集めるのかしら」
「例年、盛り上がるのはゲーム会社だね。株主がゲームの内容を要望して経営陣が真面目な答えを返すのがいつものパターンだ。お菓子など食品系の会社も商品の話題に終始して経営方針などは話題になりにくいね」
「不祥事が起きた企業では株主から厳しい声も飛びそうですね」
「今年の目玉は6月24日のディーエヌエーだろうね。パクリのキュレーションメディア問題は解決したわけではない。大元の経営陣が替わったわけではなく、総会での批判は続くだろう」
「ジャパンディスプレイとか赤字続きの企業も大変そうですね」
「日本企業の全体で見れば業績は堅調だ。日立やソニーなど電機業界も大幅赤字を計上する時代は終わって採算が改善してきているからね」
「ソフトバンクはどうですか?孫社長が英アームの巨額買収や米エヌビディアの出資など派手ですけど」
「ソフトバンクの株主総会は孫正義ファンクラブみたいなものだからね。孫社長が大ボラ吹いて、株主が盛り上がる和気あいあいとしたものだよ。今回はスプリントのマルセロ・クラウレ最高経営責任者(CEO)、英アーム・ホールディングスのサイモン・シガースCEOも取締役に選任するから大手メディアにも取り上げられるだろう」
「投資情報会社のシトロン・リサーチに『うんこ』呼ばわりされたサイバーダインも面白そうやで。ライザップとか芸能のアミューズとかも楽しそうや」
「漢字ドリルのおかげで『うんこ』は流行しているからね。サイバーダインの山海社長には熱い発言を期待したい」
「村上世彰氏の娘の村上絢氏が大株主になってる黒田電気も色々とありそうやな」
2017年の株主総会ニュース
<トヨタ>
2017年にも日米欧で衝突回避支援システム「セーフティーセンス」をほぼ全車種に搭載、自動運転にも力を注ぐ。
<ソニー>
平井一夫社長は1998年3月期の営業利益で過去最高(5257億円)に迫る業績に自信を示す。
<ジャパンディスプレイ>
2017年3月期まで3期連続の最終赤字に株主から厳しい声が飛ぶ。
<ソフトバンク>
孫正義社長が例年のように情報革命の夢を語る、英アームには10先のロードマップが社内にあると自信。
<日本郵政>
豪物流子会社トール・ホールディングスでの4000億円の損失に批判の声。
<ディー・エヌ・エー>
まとめ記事サイトの著作権侵害問題で謝罪。
<アミューズ>
所属俳優の小出恵介の未成年との飲酒、淫行問題は「創業39年の中で最大の不祥事」として謝罪。
<日産自動車>
カルロス・ゴーン会長の2016年度の報酬が10億9800万円(前の年度は10億7100万円)だった。
<タカタ>
民事再生法の適用申請によりタカタ株は7月27日に上場廃止。
<黒田電気>
旧村上ファンド代表の村上世彰氏が関与する投資会社レノによる株主提案を可決した。
通商産業省(現経済産業省)出身でフューチャーアーキテクト社長やSGホールディングス傘下のSGシステム社長を務めた安延申氏が社外取締役となる。
<タケダ>
クリストフ・ウェバー社長の2017年3月期の役員報酬額が10億4800万円(16年3月期は9億500万円)だった。
議案での賛成比率まとめ
<川崎汽船>
村上英三社長の取締役再任への賛成率が56.88%。
【主な理由】
株式の3割弱を保有していた旧村上ファンド出身者が設立したエフィッシモが反対していたため。
<ヤマダ電機>
飯村北監査役の選任への賛成票が51.65%
【主な理由】
株式の約15%保有するエフィッシモが独立性の観点から反対したため。
<出光興産>
月岡隆社長の選任議案に対する賛成率が52.3%
【主な理由】
株式の33.92%を保有する創業家が昭和シェル石油との合併に反対しているため。
<あみやき亭>
全4議案の賛成比率が全て59%台
【主な理由】
現時点では詳細不明。
<リコー>
取締役の賞与支給に関する議案の賛成比率が51.94%
【主な理由】
業績低迷などから、株式の1割強を保有するエフィッシモが反対したため。
<日産自動車>
カルロス・ゴーン会長への賛成比率が75.4%、西川広人社長兼最高経営責任者(CEO)は79.9%だった。
他の取締役候補7人の賛成比率は80~90%台。
<富士フイルムホールディングス>
取締役選任議案の賛成比率は古森重隆会長が83.26%(前年は94.68%)、助野健児社長が80.51%(前年は97.20%)だった。
<ピーシーデポコーポレーション>
野島隆久社長の取締役選任議案の賛成比率が74.2%(前年は95.6%)だった。
社外取締役の福田峰夫氏の賛成比率は56.9%。