貯蓄、高齢者は2400万円で若年層は600万円 10年前比で住宅ローンは5割増 2017年・家計調査
【総務省の2017年家計調査で高齢者の貯蓄は約2400万円だった】
高齢者の貯蓄は2400万円 若年層は600万円で住宅ローン大きく500万円の負債超過
高齢者と若年者では貯蓄額に大きな開きがある。
総務省は5月18日、2017年の家計調査の貯蓄・負債編を公表した。
二人以上の世帯では40歳未満の若年層の貯蓄額は602万円、高齢層の60〜69歳は2382万円、70歳以上は2385万円だった。
貯蓄から負債を引いた純貯蓄額で見ると70歳以上は2264万円あるものの、40歳未満は521万円の負債超過だ。
10年間の平均で見ても70歳以上の純貯蓄額は2250万円と、若年層と比較して高齢層が圧倒的に裕福な状況は変わらない。
ただ、若年層は積極的に住宅を購入しているために結果的に負債超過額が大きくなっている。
低金利で積極的に住宅を購入する動き 首都圏のマンションはバブル期以来に
【10年前との比較では住宅を購入するための負債が大きくなっている】
若年層の負債超過額は10年前と比較すると3倍の521万円だ。
一方で貯蓄額は2%増とほぼ変わらない。
顕著なのは住宅を購入するための負債(ローン)が大きくなっていること。
若年層では住宅・土地を購入するための負債が10年前と比較して5割増と積極的に住宅を購入していく動きが見られる。
日銀による金融緩和などにより、日本社会ではかつてない低金利環境が定着した。
「賃貸か持ち家か」の論争は常に盛り上がるものの、都内では「持ち家派」の勢いが増している。
不動産経済研究所によると2017年度の首都圏で分譲されたマンションの平均価格は5921万円でバブル期の1990年度の6214万円に次ぐ水準だ。
「都内の住宅価格はもう天井」とここ数年は言われ続けてきたが、若年層がローンで住宅を買う動きが支えていたようだ。
参考、各世帯ごとの純貯蓄額の推移
・この記事の関連リンク
総務省:<要約>家計調査報告(貯蓄・負債編)-平成29年(2017年)平均結果-(二人以上の世帯)
総務省:<詳細>世帯属性別にみた貯蓄・負債の状況
不動産研究所:首都圏マンション市場動向