テレビ民放4社、利益は2%増の1135億円 日テレ1強、フジとTBSは5割が不動産
【テレビ大手の民放4社の業績と不動産事業の関係】
注:各社の部門別の利益の分類から放送、不動産がメインの部門のみを抽出
テレビ民放4社、利益は2%増の1135億円 日テレ1強、フジとTBSは5割が不動産
テレビ民放4社の決算が5月10日に出揃った。
営業利益の合計は前期比2%増の1135億円と堅調だった。
インターネットの普及によりテレビを見ない若者に焦点があたるものの、企業からの広告は大きな落ち込みはなかった。
利益額の1位は日本テレビホールディングス(日テレ)で、営業利益は前期比3%減の509億円と1強の状態。
日テレは2018年3月期の視聴率でも全時間帯で1位だった。
2位のフジメディアホールディングス(フジテレビ)の営業利益は13%増の252億円と唯一の2ケタ増益。
ただし、業績に貢献したのはフジサンケイビルとホテル運営のグランビスタで不動産事業の利益が29%増、放送事業は8%増益にとどまった。
テレビ民放4社、視聴率も業績に反映 1位の日テレと2位のテレ朝は強い
【大手民放4社の2017年度の視聴率(テレ朝の決算資料より)】
注:「全日」は6〜24時、「GH(ゴールデンタイム)」は19〜22時、「PT(プライムタイム)」は19〜23時、「PT2」は23〜25時
3位の東京放送ホールディングス(TBS)の営業利益は5%減の188億円。
TBSもフジテレビと同様に不動産への依存度が高い。
TBSは赤坂を中心とした不動産事業のほか、劇場の公演や映画などの「映像・文化事業」の利益が前期比22%増の75億円と大きい。
4位のテレビ朝日ホールディングス(テレ朝)の営業利益は8%増の186億円。
視聴率では日テレに次いで全時間帯で2位と好調だった。
テレ朝は決算説明資料に他社も含めた視聴率を公表、「TBSとフジテレビに勝っている」という姿勢をアピールした。
追記、テレ東
テレビ東京ホールディングスは翌日の5月11日、2018年3月期の決算を発表した。
営業利益は前期比16%増の74億円、不動産を主体とした事業はない。
テレビ局は新聞社と資本関係がある。
日テレの大株主は読売新聞でテレ朝は朝日新聞だ。
フジテレビは逆に産経新聞の筆頭株主であり、TBSの大株主は商社や銀行などメディア以外になっている。
メディア業界では紙の新聞は落ち込んでいるものの、テレビはまだまだ健在ぶりを見せつけた。
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