ライザップ、大幅赤字の理由 瀬戸社長「松本取締役と健全な議論しリスクを認識」 決算会見ハイライト
ライザップ、決算会見ハイライト 瀬戸社長は何度も謝罪、大幅赤字の理由は「健全な議論の結果」
ライザップグループは11月14日、2018年4〜9月期の最終損益が85億円の損失(前年同期は29億円の利益)だと発表した。
これまで買収を重ねてきた企業の経営再建が進まず、赤字に転落した。
3カ月前まで強気だった瀬戸健社長は同日の会見で「期待を裏切ってしまう結果になった」と何度も謝罪。
大幅赤字に陥った理由は今年に招聘したカリスマ経営者の松本晃取締役との「健全な議論の結果」だと説明した。
松本晃氏は最高執行責任者(COO)の役職から外れた理由について、構造改革に集中するためで「私と瀬戸さんで対立は一度もない」と述べた。
瀬戸社長、3カ月前と姿勢が一変 松本取締役と8月から何度も議論
ライザップはこれまで積極的だったM&A(企業買収)を原則凍結する方針に変えた。
3カ月前までの強気な姿勢から一変した理由について、瀬戸社長は「松本さんと何度も健全な議論を重ね、将来的なリスクを速やかに認識」するよう決断したと説明。
松本氏は「入るまで会社がわかってなかった。おかしいことがあるのでそれを止めただけ」と話す。
ライザップは割安で会社を購入した時に発生する「負ののれん」で会計上の利益が膨らんでいた。
松本氏はこれらの買収について「厳しい会社を持参金をつけて売っていただいているようなもの」と表現。
「その持参金で構造改革のシナリオがあるべき」だったと述べた。
現在は構造改革のシナリオを策定中だという。
瀬戸社長は大幅赤字について「減損処理はかなり踏み込んだ。我々から、むしろ監査法人に対しても働きかけた」と保守的に見積もったと説明した。
松本晃氏、瀬戸社長を絶賛する姿勢は変わらず ライザップに引き続きコミット
ライザップは9月28日に松本晃氏が最高執行責任者(COO)から外れて構造改革担当の取締役になると発表。
瀬戸社長らこれまでの経営陣と松本氏で対立があったのではないかとの噂が広がった。
一方、決算会見で松本氏は「瀬戸健は非常に才能のある人。こういう人が日本を背負ってほしい」と絶賛する姿勢を変えていない。
松本氏は瀬戸社長個人とは対立はなく「2人の間に溝はない」と話す。
日経ビジネスは11月13日、松本氏の処遇の変化は「以前からいる経営陣の一部が反発し、激しく対立している」と報じた。
松本氏はこの報道にふれて「経営者との間では健全に対立している。対立がない会社はかえって良くない」と指摘。
松本氏は今後について「良きアドバイザーであったり、厳しいアドバイザーでやっていく」と、引き続きライザップにコミットしていく姿勢を示した。