トルコリラ、乱高下か 8月20〜24日は犠牲祭の祝日 流動性低下・スプレッド拡大をFX会社が警告
トルコリラ、急落 欧州の金融機関の債権に懸念
トルコの通貨リラが世界の注目を集めている。
インフレと政情不安からトルコリラは短期、長期の観点から一貫して下落傾向だ。
8月10日に英紙フィナンシャル・タイムズは欧州中央銀行(ECB)が主要な金融機関のトルコ向け債権を懸念していると報道。
トルコリラは6月頃の1リラ=23円台から一気に急落、8月9日の高値の1リラ=21円前後から翌10日には1リラ=16円前後と1日で2割も急落する場面があった。
トルコリラの急落でリスクオフのモードが広がり世界中の主要な株式市場では売りが出た。
日本ではFXによる金利収入(スワップポイント)を目当てにトルコリラの人気が集まっており、通貨安により損失を抱える投資家が続出。
8月13日以降の週にはトルコリラにさらに波乱の要素も待っている。
トルコ、8月20〜24日は犠牲祭の祝日 流動性低下・スプレッド拡大の可能性をFX会社が警告
通貨リラで懸念すべきはトルコでこれからやってくる長期の祝日だ。
トルコでは8月21日(火)から24日(金)までイスラム教の犠牲祭(イスラム教の祝日)となる(2018年の日程、毎年変動)。
前夜祭の20日(月)からトルコはほぼ休みとなり、イスラム教徒は神(アッラー)への捧げ物として羊や牛、山羊などを貧しい人々と分け合う習慣がある。
FX会社はこれに先立ち、犠牲祭の期間にトルコリラ相場の急変の可能性を以下のように指摘している。
・GMOクリック証券
「急激な相場変動が起こることやスプレッドが拡大しやすい状況が続くことが予想されます」
・楽天証券
「5日間は犠牲祭による休暇のため、インターバンクにおける流動性が通常よりも低下し、為替相場の急変やスプレッドが拡大する可能性がございます」
・セントラル短資FX
「17日(金)には、S&P社がトルコのソブリン格付けを発表する予定」
「今回も『引き下げ』の方向で見直される可能性が高いと考えられています」
日本時間8月11日04時ごろにトランプ米大統領の顧問弁護士ジェイ・セキュロー氏が「トルコについて解決に近づいている」と発言して一旦は緊張が緩和。
一方、エルドアン大統領は8月10日の米ニューヨーク・タイムズへの寄稿で「米国が一方的な行動を改めなければ、我々は新たな同盟相手を模索する」と述べた。
トルコのエルドアン大統領、アメリカのトランプ大統領は共に強気な発言が多い。
日本円からトルコリラに対しては損切り、押し目買い、新規の売りなどが交差して相場の乱高下が続きそうだ。
・この記事の関連リンク
GMOクリック証券:【重要】トルコリラ/円(TRYJPY)の相場の急変、スプレッドの拡大等にご注意ください
セントラル短資FX:【重要】トルコリラ円取引に関する留意事項について
外務省:犠牲祭(イスラム教の祝日)期間に伴う注意喚起
楽天証券:【重要】トルコリラ円の相場変動に関するご注意