大手メディア、自身の労働が違法かに不安 朝日や共同が警戒、読売は冷静 報道姿勢で露呈

大手メディア、自身の労働が違法かに不安 朝日や共同が警戒、読売は冷静

新聞社など大手マスメディアにとって、自身の労働状況が違法ではないかとの不安が露呈した。

大手メディアは3月30日、東京労働局の勝田智明局長が定例記者会見で記者団に対し「なんなら、皆さんのところに行って是正勧告してあげてもいいんだけど」と述べた問題を報じた。

東京労働局は会見後に局長の発言について「報道機関を牽制したととられかねない発言で不適切だった」と撤回したという。

一連の問題の取り上げ方でメディアが自社の労働状況は適法か違法なのかについての考え方が浮き彫りになった。

共同通信は東京労働局長の発言を「脅しとも取れる」と強い表現で報じた。

労働基準法はメーカーや商社、小売業のほかメディアで働く従業員にも当然に適用される。

例えば、政府が「日本では10歳は飲酒や喫煙をしてはいけない」と発言、それを「脅しではないか」と表現すれば自身が違法行為をしているのを白状するようなものだ。

そもそも、自社の労働状況が適法であれば労働局から「是正勧告」を受けることはなく、東京労働局長の発言を「脅し」とまでは言いにくい。




朝日新聞も東京労働局長の発言について「企業を取り締まる労働行政の責任者が監督指導の権限をちらつかせて報道機関を牽制(けんせい)したととられかねない発言だ」と報じて警戒感をあらわにした。

一方、読売新聞は事実だけを書いて冷静な反応を示した。

日経新聞や毎日新聞、産経新聞は共同通信の記事をそのまま配信した。

朝日新聞は記事の中で「東京労働局管内では近年、朝日新聞社や日本経済新聞社、TBSが違法な長時間労働で是正勧告を受けた。記者が過労死したNHKも指導を受けている」と記している。






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