コインチェック、営業利益1000億円超 親会社マネックスの100倍も価値は30分の1
【大手ネット証券とコインチェックの業績(日経報道)の比較、時価総額は4月5日時点】
コインチェック、年間の営業利益1000億円超 親会社マネックスの100倍も価値は30分の1
ハッキングにより巨額の顧客資産を流出した仮想通貨取引所コインチェックの新たな船出が始まる。
日経新聞電子版は4月5日夜、コインチェックの営業利益について「直近の1年で1000億円を超えたもよう」と報じた。
営業利益の比較で見れば、コインチェックは親会社になるマネックスグループの100倍の収益力になる。
そしてネット証券大手のマネックスグループは4月6日、コインチェックを買収すると正式に発表した。
マネックスグループはコインチェックに36億円の投資で議決権の100%を握る。
コインチェックへの評価(時価総額)を買収額の36億円と見れば、マネックス自身の時価総額の30分の1程度しかない。
割安に見えるコインチェックの評価は、今後の仮想通貨市場への不安を反映している。
(追記:4月6日11時40分のマネックスグループの発表を受けて数字を修正)
・コインチェックの業績は4月26日に公式に発表された(日経新聞は誤報)
マネックスのコインチェック買収、今後の収益力に不安
「コインチェックの直近の年間の営業利益は1000億円超もあったんですか。本当にこの1年間は荒稼ぎでしたね」
「2017年の仮想通貨ブームはものすごいものがあった。コインチェックに口座を持っていた人は170万人にものぼる。日本人全体で70人に1人がコインチェックに口座を持っていたというのは物凄い事実だよ」
「みんな周りには隠しながら仮想通貨の取引をしていたんでしょうか。170万人が年間で一人あたり6万円の手数料をコインチェックに払っていた計算ですね。これだけ利益を稼いでいるコインチェックをどうして36億円で買収できたんですか?」
「普通に考えれば異常な割安だね。SBIホールディングスと収益力を比較すればコインチェックの時価総額は1兆円でもおかしくなかった。そうすれば買収資金も1兆円を超えてもおかしくなかった」
「どうしてコインチェックはそんなに安く買える会社になってしまったんでしょうか」
「今後の収益力への不安と裁判などのリスク、現時点でなくなってしまっている顧客など割り引く要素はたくさんある。仮想通貨市場のピークは昨年12月で今のところは下り坂だ。ハッキングで流出した仮想通貨NEM(ネム)関連では取引停止期間の暴落などの裁判リスクもある。また、一連の対応でコインチェックから実質的な顧客離れは進んでいるだろう」
「コインチェックがマネックスグループの傘下に入ったとしてもこれまでのように稼ぐことは難しそうですね」
「金融庁から正式に仮想通貨交換業社としてのお墨付きをもらっても、昨年のように稼ぐことはほぼ不可能だろう。上場企業のマネックスグループとしては、コインチェックの顧客をどうやって株やFXなどにも手を出してもらうかが勝負になりそうだ」
「2018年は仮想通貨で儲けるのは難しそうや。かと言って、株も下り基調だからなんにしても投機は難しい環境が続きそうやな」
「マネックスは4月6日の11時40分に買収を発表した。コインチェックの和田晃一良代表取締役社長と大塚雄介取締役は株主ではなくなり取締役から外れるものの、執行役としては会社に残る」
「和田さんは技術者としては優秀やから、コインチェックとしてはいなくなったら困る存在やろな」