実況速報、日大アメフト部の会見 内田前監督と井上コーチの反論 ほぼ全文

実況速報、日大アメフト部の会見 内田前監督と井上コーチの反論 ほぼ全文

日本大学のアメリカンフットボール部の問題の注目度は高まったままだ。

日大アメフト部で関西学院大学の選手に危険なタックルを実施した宮川泰介選手は5月22日に記者会見を開き、監督とコーチの指示があったと明らかにした。

これを受けて5月23日20時、日大の内田正人前監督と井上奨コーチは緊急記者会見を開いた。

会見で内田前監督は「信じてもらえないと思うが私の指示ではない」と説明。

井上コーチは「潰せなど厳しい表現は私の指示。ただ宮川選手を育てるためで怪我は意図していない」と話した。

記者会見をリアルタイムで更新、ほぼ全文を記載した。

目次

要旨
冒頭説明
質疑応答

日大の内田前監督と井上コーチの会見、要旨

内田前監督「私は指示していない」

井上コーチ「潰せと私が指示した。ただ怪我を目的とした指示ではない」

井上コーチ「宮川選手を育てようとハッパをかけて、厳しい言葉を使ってきた」

内田前監督「試合当日はあんなプレーだと思っていなかった。ネットで騒ぎになっていると聞き、ビデオで見てから驚いた」

内田前監督「これまでの4年生は頑張っていた、新しい3年生(宮川選手の世代)には負担をかけすぎていた」

今後は第三者委員会を設置、内田前監督は謹慎で委員会の判断待ち、井上氏はコーチを辞任。




日大の内田前監督と井上コーチの会見、冒頭説明

〜内田前監督より〜

一連の問題について、関西学院大学の怪我をされた選手、お父さん、お母さんに対して誠に申し訳ございませんでした。

関西学院大学のアメリカンフットボール部の皆様、関係者の方、誠に申し訳ございませんでした。

昨日、会見されました、あのように、気持ちをさせてしまった、非常に私としても申し訳なく反省している次第です。

宮川君に対しても指導者として誠に申し訳ございませんでした。

〜井上コーチより〜

この度は関西学院大学アメリカンフットボール部、怪我をされたクオーターバックの選手、その家族の方、申し訳ございませんでした。

関西学院大学アメリカンフットボール部、関係者の皆様、本当に申し訳ございませんでした。

そして、昨日、あのような形で会見するにいたってしまいました。

宮川選手、家族の方々、本当に申し訳ございませんでした。

この件は私の未熟な指導、未熟な人間性で起こったことだと思っております。

日大の内田前監督と井上コーチの会見、質疑応答

ーー誰の指示で起きたのか、改めて
内田「信じていただけないと思うが、私からの指示ではない。ですが、フィールドで起こったことなのでスタートからゴール、試合は私の責任」
井上「監督から僕に『クオーターバックに怪我をさせてこい』との指示はなかった。私が宮川選手に対して『クオーターバックを潰してこい』と言ったのは真実です」

ーーでは、宮川選手は嘘をついたのか
井上「私が宮川選手に言ったことは、彼が昨日の会見で言っている。彼に対する思いはあるが実際、僕が『クオーターバックを潰してこい』と言った経緯がある」
井上「2日前から試合形式の練習に出れていなかった。そこから彼が試合に出ることについて、そういう気持ちでいきますと、クオーターバックを潰してきますと監督に言って覚悟を決めて欲しいなと。僕が彼に言いました」

ーー内田監督はコーチにどんな指示を
内田「普段の練習で失敗を恐れないように。失敗は誰でもするんだから、その次にしっかりやってくれと指示はしていた。ルールを守るのが原則。いろんな指示をしているが、ルールを守ってやるのが基本で選手もコーチも練習している」
内田「練習中に強いタックル、危ない時はコーチが注意している。とにかく我々はルールは守っていく。その中で育てるため、発奮させるためコーチは選手に愛情持って親身になって、選手たちを育てるのが毎日の練習」

ーーならばなぜ1プレー目の後に退場させなかったのか
内田「言い訳になるがボールを見ていた。プレーを見ていなかった。気づいた時にはあれよあれよで次のプレーになっていたのが正直なところ。本来、全体を見なければいけないが反省するところ」
内田「ビデオを見るまでどこまでの反則かわからなかった。最後の小競り合いはわかっていた。それ以外は抜け落ちていたのが正直なところ」

ーー宮川選手は監督に「やらなきゃ意味ないよ」と言われたと会見で明かした
内田「彼は確かにきたが、何を言っているか正直わからなかった。3メートル、5メートルのところにきたが。私はその言葉は言ってないと思う」

ーー井上コーチは試合直前に宮川選手に「何もできません、じゃすまないぞ」と言った
井上「セレモニーの時に『試合が終わって何もできませんでしたじゃあかんぞ、やってこい』と言いました。僕は彼に、いつもと違うようなプレーをして欲しかった、そういう意味です」

ーー怪我をさせるプレーを指示したという認識か
井上「怪我をさせるという目的ではしていません。ただ、クオーターバックを潰してこいと言ったのは確かです」

ーー怪我をさせろとは言っていないのか
井上「それぐらいの気持ちで行ってこいと、その意味で言いました」

ーー井上コーチはあの危険なプレーを把握していたか
井上「僕はベースラインのコーチなので見ていました。あの1プレー目で、むこうにロールがいって、想定していなかった、僕の思いとは。そこで彼をベンチに呼び戻したり、交代したらいいと終わった後から考えたが。僕が彼にやらしたかったのは思いっきりやること。彼を継続して試合に出してあげたいとしか考えていなかった」

ーーあのプレーで、がむしゃらにやっていると思ったのか
井上「判断ミスだと思っている。もともと僕は彼に対してハッパをかけていた。その日だけでなく、彼にいろいろ、結果が出るようにと思ってハッパをかけていた。それに対して彼が、そういう気持ちで試合にのぞんだので、冷静にしてあげようとか考えていなかった」

ーー怪我をさせろと指示はしていないのか
井上「思いっきり行けと。『クオーターバックを潰しに行け』とはその中に色んな意味があると思っている。そのために何が必要か。思いっきりスタートすること、最初から闘志を出すこと、色んな意味があると思っている」




ーー試合前に「相手が秋の公式戦に出られなくてもいい」と言ったのでは
井上「彼は優しい子で、もう一つ上のレベル、技術的にも成長が止まっていると思っていた。変えたいところで、中身の部分、闘争心とか向上心。フットボールを必死にやってほしかった。彼は勝っている、でも強い相手はどんどん出てくる。やっぱり自分から行って欲しいなと。心を育てるため、2日前練習させなかったり」
井上「その発言とか『相手のQBは友達か』とか、彼に過激な表現になってしまったと。彼に対して、僕は闘争心を植え付けたかった。過激な表現になって彼を苦しめた、本当に申し訳ない」

ーー井上コーチなら、自分がそう言われてもルールに則ってプレーしたか
井上「僕が同じ立場やったら、ちょっとそこは、正直、うん。答えられない。彼にとってはプレッシャーやったんやなとすごい感じます」

ーーそれでもその指示をした理由は
井上「正直、あの試合で、ファイトをするまで、退場するまで。試合終わって、彼が泣いていたのを見ても、彼のために、次に繋げようとしか考えていなかった。2日後に彼が辞めたいと漏らすまで、じゃあ次どうしよう、何を言おうとしか考えていなかった」

ーー「相手のQBと知り合いなのか」、「相手が怪我をしたら得だろう」と言ったのは事実か
井上「友達か、は聞いた。得か損かはしていない。定期戦がなくなってもいいはしていない。怪我という言葉を使っていない」

ーーでは、宮川選手は嘘をついているのか
井上「正直『潰してこい』とは言うてます。彼を思いっきり行かせるために。潰れたら、そういう過激なことは言いました。ただ、僕も一言一句覚えていないが」

ーー覚えていないのでは、言ったか言ってないかわからないのではないか
井上「クオーターバックが潰れたら損とか得とかは言っていない。それが目的ではないので」

ーー相手が怪我をしてもいいという気持ちはあったのでは
井上「プレーの中で思いっきりいって、いきなさいという意味です。その中でやりなさいと。プレーの中で思いっきりいって、相手が怪我をするとかは目的じゃない」

ーー日大アメフト部では「怪我をさせろ」「殺せ」という言葉があったとOBに聞いたが
内田「指導なので私が。我々のフットボールはルールの中で一生懸命やりなさいと。それが指導者と選手の中での信頼関係の中で、ルールの中と指導している。一般論として、非常に能力のある選手が、10の力の選手が5ぐらいで対応できてしまう、そういう時はもっとできるんだとハッパをかける」
内田「長い歴史のなかでそういう時代もあった、昔はあった。ただ、今の時代は『殺す』とかそういう言葉は使わないのが現状」

ーー昔は使っていた
内田「40年代、50年代、そういう時はあった。我々は言われてやってきたが、試合中にそういうことは行わなかった。お互いに荒々しいフットボールをした。今現在もルールに逸脱したような現象、結果は起こってなかったのが正直なところ」

ーー試合後の監督の発言について、文春の音声データが公表されている
内田「あの時は資格没収という大きなペナルティがあった、そこも含めて僕の責任。選手が言われるより批判は僕が受けようという。僕が悪いんですと全面に出す。よくはないけど悪者に徹した」

ーーその気持ちは謝罪につながらなかったのか
内田「とにかく僕の責任ということを言いたかった。謝罪には繋がらなかった。正直、ビデオを見ないと、どの程度かあの時点ではわからなかった。取材の時もどのぐらい酷かったのか聞いたが、あの時点ではわからなかった」

ーーでは、あのプレーは宮川選手の判断でしたということか
内田「彼は10の力があるか5で処理するいい選手。もっとできるんじゃないかと思っていた。とにかく、僕の考えではルールを逸脱するというのはない。ルールの中で行うのが基本。まさか、ああいうことになってしまったのは予想できなかった」

ーー『できなかったじゃすまされないぞ』の発言も含めて井上コーチはどう思うか
井上「私の彼に対しての言葉、表現の仕方、試合までの持って行き方。それで彼が、とんでもない重圧を受けて、本当に目の前が見えなくなったのかなと思っています。彼の判断というか、思い切ってやらないといけないと思ったのかなと」

ーー井上コーチは宮川選手の1プレー目は見たのか
井上「見ていました。正直、次のプレーも行かせたいというのが正直なところ。判断ミスだと思っている」

ーーあの悪質なプレーを見て、なぜ交代させなかったのか
井上「僕自身も固まってしまった。次に起こったのは彼をまだ試合に出したい。次のプレーをやらせたい、その思いだけでした」

ーー「関学の定期戦がなくなってもいい」との発言の意味は
井上「その言葉を言った覚えはない。定期戦がなくなっていいとは言っていない。過激な発言はしたと思っている。ただ、定期戦がなくなってもいいということは、言ってないかな、はい。ただ、すごい色んなことを彼に言っているので」

ーー選手たちに対して事実を捻じ曲げて公表するしかないと言ったのではないか
井上「そういうことは言っていない。いまここで話している宮川選手への思い、なぜあんなプレーになったのか。僕から説明する必要があると思い、みんなに話はした」

ーー勝つために相手を怪我させる意図で宮川選手を使ったのではないのか
内田「関学を弱体化させる意図はない。今の日大があるのは強い関学があるからこそ。お互いに切磋琢磨する」

ーー宮川選手とのコミュニケーションについて
内田「恥ずかしいがほとんどないです。コミュニケーション不足はあったと思います」

ーー井上コーチの責任は
井上「私は彼に対して彼のためにとだけで、やってきた。それが、やっぱり表現の仕方、試合の持って行き方だが、試合にのぞむ態勢。僕が彼への重圧というか、そういうのになってしまったんだと思っている。私がすごく責任があると思っています」

ーークオーターバックを潰せの指示はコーチにしていないのか
内田「していません」

ーー追い詰める指導方法をしていたのか
内田「優勝を目標にやってきた。今考えると団子状態での優勝が一番いいんが、1年から4年までひとかたまりで。結果的にあまりにも選手自身、体験していないことを短期間に体験してしまって。チームにはトップの人もいれば、ちぎれそうな選手もいた。それが意識の差が出る原因じゃないか。宮川選手が3年になって、ちょっとチームが縦長になってしまったのは反省するところ」
内田「4年生に対してはチームをどうやってまとめるのか。当時の1年生、2年生は見ていたはずだが、自分たちが上級生になるとちょっとわからなかったのかなと思います」

ーー常務理事、井上コーチの出処進退
日大広報「後ほど話します」




ーー日本代表に辞退しろと監督は言ったのではないか
内田「練習を外すはコーチの判断で彼の場合、指定席はなかった。交代で出しているはず。オールスターの件は、あの時点では宮川君は参加しないという話になっていなかったはず。怪我があったり、オールスターになってローテーションの頻度が高い選手は、怪我をした場合、秋の大会に響いてしまうので考える余地はある。ただ、あの時点で宮川選手を代表から外していないはず」

ーー井上コーチは監督に宮川選手の起用方法について聞いたか
井上「監督に『彼がどうしたら試合にでれるか』とは私は聞いていない」

ーー1プレー目で潰せという発言について
内田「この発言はしていないが、1プレー目は大事なところ。指示するときは1プレー目とは、だいたいする。ちゃんとしなさいよ、最初からやりなさいという指示だと思います」

ーー宮川選手の先輩に『宮川には1プレー目から潰せと言った」と伝えたか
井上「言いました」

ーー宮川選手に伝えた指示について
井上「リードしなくていいですかと聞かれて、思いっきりいけと言いました。アラインはどこでもいいか、は彼がワイドかタイトか、そういう意味。アラインはそういう意味です。リードは、彼が1プレー目から、思いっきり行けるように。私の彼への試合への課題、やらしたかったのは最初から思いっきり行くこと。プレーが縮こまることは言わないで行こうと思っていた」

ーー宮川選手は真っ先に謝罪しようとした、さらに監督の指示があったと公表を求めたが、二人は止めたのか
内田「僕個人の経験だが反則があった場合、審判の判定に不満があった場合は相手の連盟に文書をおくる。試合であった場合、相手の監督に直接、電話する。質問状がきて、部と部の文章でやっているときもあった。僕は他意はない」
内田「指示はしていないが、彼に対する期待、そういうコーチとして純粋な考えでやっていた。その場ですぐ、我々の責任は正直、考えていなかった」

ーーすぐに謝罪しなかった
内田「本来は僕のそこが失敗したところ。電話くるのかな、その上で謝罪するのかな、その判断は遅かった」

ーー井上コーチは宮川選手がクオーターバックにタックルするのを見ていたとのことだが、相手の選手に対してどう思うか
井上「その時は宮川選手のことしか考えていなかった。彼を成長させたいと。今は、本当に申し訳ないと思っています」

ーー反則行為が相次いだ試合、関学に自ら謝罪しようという思いは
内田「ハッキリ認識できたのは最後の小競り合い。後はビデオで確認したのが正直なところ」

ーーいつ確認した
内田「9日ぐらいだと思います。その前にネットで流れたのは見た。それは本当なのかな、と考えた。その次の日に確認した」

ーーそれまでコーチから確認など無かったのか
内田「ネットに出ているとの報告は受けた。それはなんで、というのが正直なところ」

ーー宮川選手の話したことを否定しているが、彼は間違っているのか(元関学QBの有馬キャスター)
井上「間違っているとは思っていません。彼のきのう発表したこと、彼が思っていることは、あっていると思います」

ーー「相手が怪我をしたら得」宮川選手がそう覚えていた言葉は発していたのか(元関学QBの有馬キャスター)
井上「正直、長い、いろんな話をずっとしてきた。実際その、彼を成長させるため、いろんな表現を使ってきた。実際その、得とか損とか、そういうことは、言った覚えはない。それが目的じゃないのも一つ」

ーーでは、宮川選手の認識は間違いないのか(元関学QBの有馬キャスター)
井上「そういう表現をしてしまった私が未熟な指導、私が悪い。そういう表現をしてそういう気持ちになったのは申し訳ないことをした」

ーー宮川選手は監督からの指示がコーチにきてプレーをしているという認識。ならば、コーチが独断で指示をした場合もあったのか(元関学QBの有馬キャスター)
井上「監督の思いを我々は汲み取って選手に伝えないといけないと思っている。実際、それが僕の表現の仕方で、選手に間違ったことをさしてしまっているのか、今回、あるかなと思いました」

ーー監督の指示でないことを監督の指示だと言ったことはあるか(元関学QBの有馬キャスター)
井上「監督に『QBを潰すから、と言ってこい』と彼に言いました。それで彼が覚悟を決めて行ってくれるのかなと思った私の未熟さ。監督に言うのは本人も緊張するし、そういう経験のためにも」

ーー内田監督のルールの中でのプレー、逸脱することはないとの考え方。選手とコミュニケーションをとらない監督の考えは伝わらないのではないか(元関学QBの有馬キャスター)
内田「ルールを守るのは絶対条件。伝わる伝わらないの以前の問題。言葉がどう変わろうとルールは逸脱しない。それが勝ち負けにつながってしまう、それは伝達の問題ではない」

ーールールを逸脱した行為が生まれた原因は(元関学QBの有馬キャスター)
内田「負け越しのチームを思い切ってやっていて、4年生が頑張って。じゃないと甲子園で優勝できない。頑張りを下級生が見てたのかな、それが僕の甘い判断。去年フェアプレー賞をいただいている。ルールを守る、暗黙の了解だと思っていた。去年の4年生は本当によくやってくれた。ルールを守る、下級生を盛り立てる、本当によい四年生だった。それが伝統だと思ったのが、もう一つ、指導の甘さ、今の4年生と去年の4年生、今の2年生、3年生。一年違いであっても世代、認識の違い、僕がわからなかった、残念なところ」

ーー内田監督は最初は選手に、今度はコーチに責任を押し付けているように見える
内田「我々は宮川をそうだと思っていない。責任を押し付けるとは思っていない」

ーー井上コーチは監督の顔色を伺っているだけで、本音は選手に寄り添いたいのでは
内田「うちのコーチは厳しいけれど、選手のことを考えてやってくれている」

ーー井上コーチ以外のコーチに『選手を潰せ』とは言っていないのか
内田「ありません」

ーー宮川選手が追い込まれていたのを感じ取っていたか
内田「追い込まれていたのを客観的に判断するのは難しい。将来、大黒柱になって欲しい選手はその責任だと思っている。結果的にこういうことになったんだと思う。中心になる選手は練習量も多くなるし、試合ではタックルもブロックもレシーブも多くなって欲しいのが希望。結果的に重荷になった部分はある」
井上「実際、乗り越えて欲しいと思って厳しいことを言った。彼が、いやだなと、精神的にしんどいなということも言ってきた。それも含めて、乗り越えて欲しい、彼のプレーと心の成長につながれば良いとの思いでやってきた。そこまで彼が追い込まれていると思っていませんでした。責任は感じている。彼が高校の時から見ているので」

ーー宮川選手が会見をするのは知っていたか、なぜ同席しなかったのか
内田「当日だったと思う、はっきり記憶にないが。出てくれという話は全くなかった。出てくれと言われれば出たが、お誘いがないのでどうしようもできないのが正直なところ」
日大広報「個人としてやるということなので」




ーー宮川選手が退場の時に頭をポンポンしたのは
井上「私です。ベンチに帰ってくる時に、正直なところ意味はなくて。叩いて、ちょっとテントの中入っとけと、彼も興奮していたので」

ーー悪質なプレーの後に励ますような行為をした
井上「頭をタッチした意味は、正直なくて。帰ってきて話しかける時に、タッチするんですけど。労うという意味はなかった。ショルダーをまず脱いでテントの中に入っとけと言った」

ーー宮川選手は『相手のQBが秋の大会で怪我をしたら得だろう』と言われたと主張している。相手の怪我を示唆する言葉を使ったのか
井上「怪我という言葉を正直、どの場面で使ったのか覚えていない。その言葉だけ単体で伝えたわけじゃなくて、長い間いろんな話をして、それが目的。負傷が目的じゃないんだが、そのような過激な表現をしたのは事実」

ーー怪我という言葉を使ったのか
井上「正直、覚えていない」

ーー「1プレー目でQBを潰せ」は指導者にとって都合の良い言葉ではないか
内田「ルールを守る、コーチだろうと選手だろうと基本。都合の良い解釈ではないと思う。他の大学はわからないが、往々にしてそういう言葉を使うと思う。『潰す』は日大だけでなく他の大学も使っていると思う」

ーー昨日の宮川選手の会見をどう思ったか
内田「去年、負け越しのチームを4年生が一生懸命やってくれて、3年生がついてくれて、その結果が甲子園の優勝。これは4年生、3年生の頑張り。その中で適当な言葉はないが、金属疲労がどこかにあったのかと。全体を見て気がつかなかった部分」
井上「彼と一番、密に接していたというか、私なので。複雑な思いではあった。それしか表現できない」

ーー宮川選手は井上コーチと信頼関係はあると言っていた。なのに「潰せ」が怪我をさせるにつながった
井上「彼への言葉のかけかた、彼にとっては違かったのかな。『潰せ』『QB潰してこい』と僕はよく言うんですけど。彼に対する試合の持って行き方、指導の仕方が悪かったと思っています」

ーーよく使う言葉なら解釈を間違わないと思う
内田「3年生は4年生を間近で見ていて、2年生は3年になった時に、この時期、まだ上級生になった、そこらへんのなんていうか不安定な部分が、我々が見抜けなかったのが正直なところ。もう少しすれば、2年生から3年生になって、上級生に意識が固まる。ちょっと前だったのかな。そこが我々が見抜けなかった、個人差があって。すぐ3年生になれる子もいれば、自分中心の子もいる。思いっきり去年一年間引っ張ってきたので、認識のずれが起きたのかな。私が気がつかなかったのが原因」

ーー宮川選手を守るべき会見を早くするべきだったのでは
内田「初動の遅さは自分の責任。僕のやり方では直で電話で話し合って出向く。ただ、部と部の文書の受け渡し、それが今回のやり方かなと。優先的にするのは出向いて謝罪、それから皆さんに話をするのが筋だと思った。そうでないと真意も伝わらない、それが遅れた原因」

ーー宮川選手選手を守りたいならば、すぐに謝罪すべきと井上コーチは監督に言うべきだったのでは
井上「伝えていません。私自身、関東連盟に呼ばれていたので、そこで報告するということもあった、それが筋かなと思った」
内田「試合が終わって本人と話した時、本人がだいぶ書き込みをされたと。本人が犯罪者みたいに言われていると。激励はしたけれど、ムチ打つことはできないな。ネットで叩かれていたのは非常にショックだった」

ーー選手にも問題があったと言っているように聞こえる
内田「そこを全て理解できないというのも、我々の責任。あまりにも急激にいろんな経験をして、その中で彼らが対応できなかった部分、それはあるんではないかと思います」

ーー本人がフットボールはもう、できないと言っている
内田「彼は身長も能力もあって、こういう結果で。こんなにも嫌いになってしまうのか。僕も正直いって、彼はもうちょっとやってもらって、日本代表になる選手だと思います。なんでそんな選手がやめなくちゃいけないのかな。それは我々の責任だと思います」
内田「我々が彼はまだ、一年間の中のスケジュールの中で上級生の主体というか、期待しすぎたのかという反省はある」
井上「学年が上がるにつれて、彼に求めるものも大きくなってきて、それを引き出そう、なんとかしてやろうという思いだけでやってきて。結果的に彼がフットボールを辞めたいとのことに対して、率直に言うと、続けて欲しいと正直思ってまして。辞めて欲しくないと思っています。思いも僕はいろいろある。高校の時から見ているので。フットボールをやって欲しい」

ーー試合後に彼が泣いている意味がわかっていなかったのか
井上「彼が泣いていて、優しさ、相手に対する思いで泣いているのだと思いました。僕は次に、なんとか繋げたいと、彼に言うたんですけど、なにかプラスになって欲しいな、涙も含めて、そう思っていた」

ーーもう辞めたいという彼にどんな言葉をかけるか
内田「戻ってきてもらいたいというのが率直な考え。私が指導者として一緒にやりたくないのであれば、私はもういない。彼はフットボール選手として、もっと活躍できると思うので」
井上「彼が体が細くて、幼い時から成長を見てきた。成長させたい成長させたいという思いで。フットボール、続けて欲しい、その思いだけです」

ーー2人のフットボール人生にとって関学との試合はどんなものになったか
内田「スタートから最後まで私の責任。その責任の中で、彼を守りきれなかったのが責任。こういう結果になって批判を受けるのは当然だと思う。フットボールに携わっている人たち、大学、社会人、高校、中学。そういう人たちの努力、応援する人たちに対して、非常にマイナスというか。そういうスポーツではないのだが、そういうことに対して責任を感じている」
井上「関西学院のクオーターバックの選手に対しても、宮川選手に対しても僕の指導というか、人間的な未熟さでなってしまったと思っている。責任が大きい試合だと思っている。今となっては宮川選手に対してのアプローチを違かったのかな。考えさせられました」

ーーなぜ宮川選手だけに厳しい言葉をかけたのか、なぜ宮川選手だけがああいうプレーをしたのか
内田「全員にそういう期待をするのは時間的にも人数が多いので難しい。そういう選手を誰がリードしていくのか、誰が押し上げるのか、下級生を引っ張っていくのか。リーダーとしての人間は一人、二人。それを宮川くんに期待して、ディフェンスのポジションの選手、下級生、そういう子たちを教えたり、リーダーとして育てたいとの考えだった」

ーーそう本人に伝えたか
内田「伝えていません」

ーー監督は彼の直訴が聞き取れなかったとのことだが、なぜスタメン落ちした彼が試合に出たのか
内田「春の時点ではスタートにこだわらない。誰が出てもいい、誰にでもチャンスがある。名前がなくても自分がズカズカ出て行くのがいい。秋はダミーで出したりもあるが。往々にしてそういうことはある。指定席を春は作らない」
井上「2日前に練習を外しました。彼の様子を見ていました。僕になんて言ってくるか、彼をずっと見ていた。彼が練習に出させてください、試合に出させてくださいと言ってくると。そして試合に出て行く流れを描いていた。メンバー表にはのせない。最終的に彼がやると言ってきたので、試合に出させました」
「クオーターバックを潰す、そういう気持ちで行くと。その言葉で思いっきりやらしたかったです」

ーー認識の違いといえ矛盾が生じています。宮川選手は裏切られたと思っているかもしれない。お二人は忖度、嘘はないと胸をはって言えるか
井上「怪我をさせるために彼に言ったのではない。彼の闘争心と試合でのチャレンジさせるために声をかけた」

ーー彼と平行線を辿ったままになる。彼のアメフト人生を奪っているのではないか
日大広報「9時半すぎたので終わり。何時間かかっても終わらない。無理ですよ」

ーー会見を続けるのは監督に決めて欲しい
内田「どうぞ」




ーー「監督からやらなきゃ意味ないよと言われた」と宮川選手から井上コーチは報告されたか
井上「どういう会話をしたか。監督に言ってきたんかと。そのあとにリードの話とか『思い切り行っていいですか』とその話をしていた。監督のところへ行きます、それが僕の大事なことだと思っていました」

ーー2人がこのような認識では、これからも同じことが起きるのではないか
内田「無責任かもしれないが、反則はこれからもあると思います。往々にしてある。ただ、今回のような反則はコーチをして初めての反則。これからはないと思います」
内田「そこまで彼が考えていたのがわからなかったのが原因だと思います。今考えれば、3年生になった時点での、彼の不安定だったのが見抜けなかった。これが一つの原因。反省している」

ーーすぐに謝罪に行かなかった理由
内田「直接、相手がたに電話するという判断でいた。電話なりアクションが相手からあると思っていた」

ーー抗議がなければ何もしなかったのか
内田「それは待っていた。その間に文書がきたので、それでやりとりするのかと思った」

ーー(記者からの質問が続く)
日大広報「もう同じ質問はやめてください。ここで終わりにします。もう十分聞きました」

ーー今回の会見は多くの人が見ています
日大広報「見てるとか見てないとかいいんですけど。監督の発言は十分聞きました。これだけ聞けば十分です。これから進退についてお話してもらいますから。(記者が騒ぐ)いいです、喋らないでください。監督、終わりにしたいと思いますので、最後に進退を話してください」

ーー司会者のせいで日大のブランドが落ちるのではないか
日大広報「落ちません」
内田「まず、時間はあると思います。お答えします」

ーー監督はあの悪質なプレーをいつ見たのか、試合後に多くの選手や宮川選手に話したのは
内田「最初に見たのは、どこのスカウティングビデオかわからないがネット。そのあとに確認した。フィールドで起こったことは全て私の責任。資格没収は全て重い責任。それは全て私の責任と言った」
内田「ネットで叩かれていると、そいうところがあったので。ペナルティを君は課せられたじゃないかと。最終的な資格没収というペナルティを気にするなと。その時は彼を励ますしかなかった」

ーー怪我をさせるような指導をしていたのではないか
井上「フットボールで怪我をさせるという方法は違いまして。掴まれたらこうやって外しなさい、こうきたら、こうしなさい、そういう指導はしていた」

ーーあなたたち二人は真実を話しているのか
内田「真実を話している。全員の気持ちがわからなかったのが落ち度。色々な経験をしたなかで、1年生から4年生まで自分の状態、負け越しのチームが甲子園で優勝して。免疫のない選手たちが伝統であると思った判断が間違った。ついてこれなかった選手が出てきたのではないかと思います」

ーーアメリカンフットボールについて
内田「間違ったイメージがこの問題でアメリカンフットボールを知っている人、知らない人に拡散してしまった。それが反省すべきところ」
井上「現役の子たち、残った子たちの前で話をしたが。僕としては、もう一回まとまって欲しいなと思います。今の現役の選手に」

ーー宮川選手について
内田「連絡はとっていない。連盟に彼の資格停止を解除して欲しいと。それよりもフットボールに戻ってきて欲しいが率直なところ」
井上「昨日の会見以降、会っていません。まずは話し合いたいと思っています。僕は、こうなってもらいたい、こういうプレーヤーになって欲しいという思いで言ったとか、彼が納得していない部分とか話し合っていないので」

ーー彼はアメフトを辞めると言ったが
井上「彼に対しては申し訳ないという気持ちでいる。ただ、フットボール続けるか続けないかでは、続けて欲しいという気持ち」

ーー警察の取り調べて、宮川選手一人が立件されてしまうのを井上コーチは望むのか
内田「捜査の詳しい話はわからない。警察が処罰、進め方はわからないが、それは正直に警察に話そうと思っている。どういう風になるか、我々の範疇を超えている。お話はできないという状態」
井上「もちろん私は望んでいない」

ーーこれまでの説明であれば宮川選手一人が立件されてしまう
井上「それは望んでいない」

ーーあす、関西学院大学に直接、経緯や原因についての説明を書面で渡すのか
内田「僕は辞任したので違う人間が行くと思う」
井上「その話はまだ決まっていません」

ーーがむしゃらにやって欲しいとのことだが、結果的に関学の選手が怪我をしてしまってもいいと一瞬でも思ったのではないか
井上「思っていません。怪我をしてもいいと思ったことは一度もない。宮川選手が成長すればいい、それしか思っていません、宮川くんのことしか頭になかった。申し訳ございません」

ーー(日大広報)最後に監督から身の処し方
内田「今回の問題についてアメリカンフットボールに携わる方々、このような問題、日本大学に多大な迷惑をかけた。これから第三者委員会を立ち上げて調査をしていただくことになった。しばらく、というか常務理事を一時停止して謹慎させていただきたい。第三者委員会の結果、大学のご判断に任せようと思っている」

井上「コーチを辞任します」






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