日銀、どう動く 割れるメディアの観測「金利目標の柔軟化」「ETF配分見直し」

時事とロイター「日銀が長期金利目標の柔軟化を検討」 市場が反応

日銀の動きを巡る大手メディアの報道が市場に混乱を呼んでいる。

日銀は7月30〜31日に金融政策決定会合を開く。

物価が上がらない状況では金融政策の現状維持が続くと見られていたが、時事通信とロイターが7月20日に「日銀が長期金利目標の柔軟化を検討」などと報じた。

大規模な金融緩和からの正常化を目指すわけではないものの、副作用の側面も考慮して長期的に持続可能な政策を模索するという。

報道を受けて日本の長期金利が上昇(債権価格は下落)、市場が日銀に対して身構えている。

その後に続いた日経新聞など大手メディアの報道内容にはやや温度差があり、7月31日昼ごろの金融政策の結果発表でも市場が荒れそうだ。




日銀、どう動く 割れるメディアの観測「金利目標の柔軟化」「ETF配分見直し」

【7月下旬の大手メディアの日銀に関する報道】

大手メディアが特ダネを先に書いた場合、他社の記者は後追いでも同様の記事を書かなければならないプレッシャーが生じる。

先行した時事通信とロイターの記事が事実であるならば、大手メディアが揃って後追い記事を書くのが一般的だ。

後追い側の日経新聞はETFの配分見直しの検討については触れたものの、金利目標の柔軟化については「金利調整にまで踏みこんだ議論になれば、リフレ派が反発するのは必至」と否定的だ。

朝日新聞は7月27日に「一定の金利上昇容認を検討へ」と金利目標の柔軟化も検討すると報じている。

各社で共通している見解は読売新聞が7月29日に報じた「物価見通しの引き下げ」だ。

これらの報道に対して、多くのエコノミストやストラテジストから「物価が上がらない現状で金利目標の柔軟化は考えにくい」と疑問の声が上がっている。

時事通信は7月20日に「会合では具体策をめぐり突っ込んだ議論となりそうだ」と書いた。

本当に金利目標の柔軟化を真剣に議論するのか、今回はあくまで検討にすぎないのか。

7月31日の15時30分からの黒田東彦総裁の記者会見の発言にも注目が集まっている。

・この記事の関連リンク

時事通信:日銀、長期金利目標の柔軟化検討=一定程度の上昇容認-7月末会合で議論
ロイター:日銀が金融緩和の持続性向上策を議論へ、長期金利目標の柔軟化など=関係筋
日経新聞:日銀ETF購入 配分見直しへ TOPIX拡大、市場への影響抑制
日経新聞:緩和副作用に配慮案 日銀会合、リフレ派反発も 20年度の物価見通し注目
朝日新聞:日銀、一定の金利上昇容認を検討へ 緩和の悪影響を軽減
読売新聞:19年度物価見通し「1%台半ば」に引き下げへ






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