産経新聞、最終損益5億円の赤字 キャッシュ・フローは8割減 2017年4〜9月期
産経新聞、最終損益5億円の赤字 キャッシュ・フローも厳しく
大手新聞社のメディア事業の苦戦が鮮明だ。
産経新聞は11月28日、2017年4〜9月期の決算を発表した。
売上高は前年同期比4%減の571億円、営業損益は5億1500万円の赤字(前年同期は1億4500万円の赤字)、最終損益は4億9500万円の赤字(前年同期は1億7600万円の赤字)だった。
企業が現金を稼ぐ力の「営業活動によるキャッシュ・フロー」は8割減った。
インターネットの発展により無料メディアが普及、情報を紙に刷って家に届ける従来の新聞社の業態の厳しさは増している。
産経新聞、2017年9月末の財務状況も厳しい
【産経新聞の2017年4〜9月期の業績】
「産経新聞の2017年4〜9月期の決算が発表されましたね。やっぱり紙の新聞はどこも厳しいという感じね」
「営業損益、最終損益ともに赤字だ。さらに現金を稼ぐ力を表す『営業活動によるキャッシュ・フロー』は前年同期比で8割減だ。このまま売り上げが落ち込めば資金繰りも厳しくなってしまうだろう」
「でも、メディアって不動産に含み益があるから大丈夫なんじゃないですか」
「産経新聞の2017年9月末のBSを見ると建物が140億円で土地が190億円ある。これは簿価で、現在の時価はこの金額より大幅に高い可能性はあるが、資金繰りが厳しくなって土地を売るのは最近のシャープのように最後の手段だよ」
「産経新聞は財務面でも厳しそうですね」
「財務分析の代表的な指標として流動比率がある。これは企業の短期的な支払い能力を見る者だが、産経新聞は流動比率が100%を割る状況が続いている。1年以内に払わなければいけない負債を1年以内に手に入る現金で返せない状況だ」
「企業として存続するのも厳しい状況なんですか」
「産経新聞の親会社はフジテレビ(フジ・メディア・ホールディングス)だ。親会社の業績は全体として安定している。産経新聞をどうするかは親会社の意向次第だろうね」
「産経新聞から他のメディアに転職する人もちらほら見かけるでな」