実況速報、日大アメフト部問題 関西学院大の記者会見 ほぼ全文
実況速報、日大アメフト部問題 関西学院大の記者会見 ほぼ全文
・5月22日の日大の加害者側の選手の記者会見
アメリカンフットボールの日本大学と関西学院大学の定期戦での問題が国民的な注目を集めている。
無防備な状態の関西学院大の選手に日大アメフト部の選手が危険なタックルを敢行。
スポーツの枠を超えた極めて悪質な行為に批判の声が上がった。
関西学院大が抗議文書を送り、日大が回答文書を送付。
これを受けて関西学院大学は5月17日13時30分、鳥内秀晃監督と小野宏ディレクターが記者会見を開いた。
関西学院大学は回答文書の内容を不服として日大の内田監督の直接の謝罪、真相究明などを求めた。
日大は5月24日までに再発防止策など追加の説明をする。
会見内容をリアルタイムで更新、ほぼ全文を記載した。
目次
・要旨
・冒頭説明
会見の質疑応答、ほぼ全文
・経緯と今後
・内田正人監督
・被害者
・加害者
・刑事告訴
・アメフト
会見要旨、日大は選手と指導者の乖離と説明 関西学院大学は真相究明を求める
・日大の回答
意図的な乱暴行為を教えることはない、指導方針はルールに基づいた厳しさを求めるもの。
今回、指導者と選手に乖離があり、指導方法に深く反省している。
試合直後の監督のコメントは撤回する。
再発防止策など5月24日にさらに具体的な説明をする。
・関西学院大学の見解
あのプレーはスポーツではなく暴力で絶対にありえない。
監督の直接の謝罪の申し入れがないことに遺憾の意。
指導者と選手の間の乖離という説明について、さらに具体的に言って欲しい。
選手のケア、今後のアメフトのためにも真相究明が一番大事。
刑事告訴するかどうかは本人、ご家族が決めること。
被害者の家族は非常に憤っている。最も抑制的な表現で憤り。正直なところ、収まっていくという感じではない。
冒頭説明、日大からの回答書 関西学院大学の見解
【日大からの回答書を紹介】
〜日大選手の反則、チームとしての見解、正式な謝罪について〜
日大は意図的な乱暴行為を教えることはない、指導方針はルールに基づいた厳しさを求めるもの。
今回、指導者と選手に乖離があり、指導方法に深く反省している。
〜日大指導者の試合後のメディアへのコメント〜
日大は規則に基づいた指導を行っている、コメントは規則に反して良いと言ったものではない。
真意が伝わらず反則行為を容認と受け止められたため、試合直後の監督のコメントは撤回する。
当日ミーティングで監督が選手に発した言葉は怪我を意図させるものではない。
現在、確認作業や再発防止策を検討している。
5月24日まで猶予が欲しい。
【回答書を受けて関西学院大学の見解】
日大の責任ある立場の人間から直接の謝罪の申し入れがないことに遺憾の意。
日大部長、監督から被害選手、保護者に直接の謝罪を要求する。
試合後一週間、具体的な事実、チームの見解がない。
1プレー目の反則、事実、対応に具体的に説明して欲しい。
これまでルールのプレー内で動いていた選手がなぜ、突然に危険な行為をしたのか。
指導者と選手の乖離の部分について具体的な説明が欲しい。
日大監督はルールに基づいた指導を行っていたというが、ワンプレー目の反則の後に当該選手を厳しく指導していない。
当該選手が三回目の反則、退場となってチームエリアに戻るにいたっても、指導者は厳しく指導していなかった。
試合後に「あれぐらいやらないと勝てない」とコメントしたことを勘案するとルール逸脱行為を監督が容認していたのではないか。
「監督に責任は俺がとると言われた」「1プレー目で選手を壊してこいと言われた」などの報道が相次いでいる。
この点についても真摯に事実確認をして欲しい。
問題の経緯と今後の対応
ーー事件発覚後に日大の内田監督は何も発言していないが
「ゲームの中でああいうプレーが起きた。監督は責任者であのプレーを見ている。自分の厳しさと選手の受け取り方が乖離していると思うなら、あのプレーが起きた時になぜベンチに戻して『そういうプレーじゃない』と言わなかったのか」
「あれを受け入れたらスポーツが成り立たない。ビデオ見て誰でも思うが、非常に悪質。次の日に、監督が直接謝罪するのが筋。我々は汚いプレー、反則プレーをするなと指導している。プラス、相手を故意に傷つけるなと。もし傷を負わせれば君らも一生背負うことになると言っている」
「日大の中でも地位のある人なので、ハッキリと謝罪して欲しい」
ーー指導者と選手の間に乖離があったと言うが、どう思うか
「指導者は学生の安全を一番守る。1プレー目であんなことが起きた。厳しさばかり求めていたならば、あのプレーを見た瞬間に選手を下げる。求めた厳しさはそれじゃないと言うはずだ」
「あのプレーを労うような行為があった、全く理解ができない。これは最も抑えた表現だ」
ーー24日の回答書で納得する答えとはどんなものか
「誠意ある回答を求めている。私たちの想定する結論を押し付けるものでなく、真摯な調査に基づいて、日大アメフト部自身が真相究明すべき。なぜ1プレー目であんなことが起きたのか。選手に何が起きたのか。具体的な事実と説明、結論に基づいて、日大の措置について納得できれば誠実な回答ではないか」
ーーその回答書に必要なものは
「指示の有無だけでなく、どれだけ事実が判明してどんな措置があるか、総合的に勘案することが必要。この点だけがあれば元に戻ろうとはならない」
ーー日大内部の調査で事態が判明すると思うか
「まず第一に日大アメフト部の自浄能力、真相究明、社会に公表するのが一番大事。我々に対してだけでなく、日大アメフト部のため、アメフト全体のためにも必要だと考える」
「関西学院大学アメフト部が調査することはできない。日大アメフト部、管轄しているアメフト連盟が規律委員会を作って調査している。さらにアメフト協会が調査して真実を究明するべき」
「関東学生連盟の調査もある。ここでは客観的な調査が行われると思う」
ーー事件はSNSで拡散されてから注目された
「試合当日、あのプレーを誰一人認識していなかった。ボールが投げられているので、ベンチはみんなボールを見ていた。実際、何が起きたかは試合直後には気づかなかった。翌日、ビデオを見てわかってきた時にはSNSにかなりの情報があがっていた。私たちの撮影以外の角度もあった」
「アメリカ在住の日本のジャーナリストも早い段階で記事を書かれていた。昔であれば映像も残っていない、水掛け論になっていた。今はあらゆるところから記憶が残り、社会に拡散していく。私もここまで大きな記者会見を開かざるをえない状況になるとは思わなかった」
ーー5月15日にコーチと当該選手が直接に謝罪にきたようだが
「回答書の内容も見ておらず、責任者の謝罪を求めている。責任者がこないというのでお断りした。会見後、スタッフが学内を歩いていたら日大のコーチと当該選手が歩いていたということで謝罪をしたいと言ってきた。ただ、お引き取り願いたいと伝えた」
「選手だけがきて、それを受けれいるというのは難しい。責任者の謝罪は保護者にも、本人にも大事」
日大、内田正人監督について
ーー日大の監督の責任と考えるか
「現段階でプレーヤーか監督の責任か判断できない。映像にある通りプレーヤーの責任はあるが、監督については真相究明したい」
「現場で責任者は監督。選手がああいうプレーをしたのは監督の責任」
ーー公に出てこない内田監督の今の対応について
「ああいう事故が起きたわけなので、直ぐにでも謝罪すべきだと思う。後手後手にまわって余計事件が大きくなっている」
ーー監督同士の信頼関係は
「あの監督のもとにコーチングスタッフがいる。意見を言えない可能性がある。そんなことで学生を守れるのか疑問。我々の指導と違い、受け入れられない」
ーー24日の回答書の期限に向けて内田監督に言いたいことは
「最高責任者で、次の日にはプレーを見たはず。その瞬間、これは凄いことをやってしまったと思うはず。まず謝罪するのが筋。24日に向けては回答を見なければわからない」
ーー昨年から日大と戦っているが
「これまで両チームはクリーンに戦っていた。あのプレー自体、厳しさの問題なのか。どんな伝え方なのか疑問。真相究明、なんで彼だけが、あんなプレーをしたのか。全員やっているわけではない。その真相究明が大事」
ーー日大についてどう思うか
「長いライバル関係でやってきた。日大のすごさは先輩から聞いてきて、あそこと勝負できるチームを作ろうとしてきた。ああいう事件が起きると非常に残念」
「各世代ごと、日大と関学は深い関係を持っている。そういうライバル関係にある中で、こういうことが起きたのは全く信じられない。長いOBのつながりは今も変わらず、蓄積した歴史はある。ただ、今の両方のチームは決定的に信頼関係が崩壊した」
被害を受けた選手、家族について
ーー被害者はプレーについてどう思っていたのか
「どういうプレーかわかってなかったと思う。私が聞きに行ったら『レイト(遅れ)でやられました』と。ただ、あそこまでああだとは、自分でも思ってなかったようだ。次の日で、ビデオで見てわかった」
ーー日大からの回答書は被害者に渡したのか
「回答文書はすぐ、被害選手のお父様にお送りした。本人が見てるかどうかはご家族で判断していると思う」
ーープレーに対する憤り、本人やご家族はどう思っているのか
「ご家族はもの凄く怒って、憤っている。今も激しく憤っている。プレーに対しても、監督の指示があったのではないかとの疑念がある。何よりも自分たちに謝罪を申し込んでこない憤り。最も抑制的な表現で『憤り』だ。正直なところ、収まっていくという感じではない」
「ご家族も選手本人を一番大事に考えている。できるだけ早くプレーをする、こんなことで注目を浴びる環境から抜け出たいとも思っている」
ーー被害者のプレーヤーについて、監督は話をしたか
「試合直後は話をしていない。私もあの場面を見ていないので。彼は後半から試合に出ていないのでそこまで重篤と思わなかった」
ーー被害を受けた選手の現状
「まだ練習には復帰していない。試合が終わった翌日に診査を受けて、膝の軟骨損傷、腰の打撲で全治3週間。2日後に左足に痺れがあると言っている。後遺症が残るようなものがあるんじゃないかと診察をして、問題ないと出たので安心している」
「医師から痛みがなくなったら練習に復帰して良いとは言われている。ただ、その後に風邪を引いて寝込んでいるので状況はわからない」
ーー選手のケアについて
「本学には対人療法、トラウマなどのケアの専門の先生がいる。この4月から留学しているのだが、早い段階に被害選手だけでなく、チーム全体が心のダメージを受けているのを認識してくれと連絡がきた。スポーツで想定されないことが起きている、仲間が悪意に元づいた行為で怪我をさせられてしまった。これは様々な感情が起きる。そのダメージケアについての助言をメールで受け取っている。選手にも話をしている」
「先生からの指摘の中でも、なぜこんなことが起きたのか、真相究明がダメージを癒す重要な要素だとも言われている」
ーー被害者の選手はどう思っているのか
「感想は聞いていない。怪我の状態を聞いていく中で話をしていきたい。今後、選手の感じ方や考え方、場合によっては何か判断していく必要もある。丁寧にやっていきた」
悪質なプレーをした選手について
ーー91番の選手はこれから、アメフトをする資格はあるか
「どういう事情があったにせよ、生命に関わる危険で悪質なプレーだと考えている。その行為自体が許されるものではない。ただ、本当に当該選手がなぜ突然、あんなプレーをしたのか。真相究明は必ずなされるべき。きちんと納得いかない限り、この問題は解決しない。本人が真実を自分の口から伝えて欲しい」
ーー同じようなプレーが自分のチームで起きたらどう思うか
「うちのチームでああいうことが起きたらは、絶対にない。絶対にありえない。安心安全、汚いプレーはありえない。こういう競技ですから、いざこざはある。ただ2秒、3秒たってからああいうプレー、ありえません」
刑事告訴について
ーー5月24日の回答で誠意が感じられない場合どうするのか
「誠意がない場合、定期戦を行わないのは決定している。それ以外の法的な対応は本人とご家族の問題」
ーー刑事告訴はどうするのか
「警察に関しては本人と家族、告訴に関しても主体は本人や家族。我々からの言及は避けさせて欲しい」
「本件はスポーツの範疇を超えているとは言っている。その後は状況が変わっている。本人の行為は悪質だが、それ以外の要因も絡んでいる。24日の回答をまって考える」
ーー法的手段以外で考えていることは
「それ次第で定期戦をどうするかは決めている。それ以外は今のところ頭にはない」
アメフト自体について
ーーあれだけのことをした選手がそのままプレーしている、それが一般的には驚きだ
「1プレー目、映像を見れば審判が近くでフラッグを投げている。1プレー目で退場が一般的な常識だと考える。なぜ単純なファウルだったのか。関東学生連盟から通常のファウルではなく、酷いファウルだと後から認定がきた。本来は1プレー目で退場すべきだったとの見解がなされている」
ーーアメフトのようなコンタクトスポーツはルールを守る上で合法、そうでなければ傷害行為ではないか
「スポーツはルールがあるのが普通。あれを認めたらスポーツではない。あれは暴力。あってはいけないことが起きた。真相究明を一番求めている」
「アメリカでも安心安全を取り上げている。脳震盪などの問題もある。日本でも昨年から審判が7人から8人になった。反則を色んな目で見よう、安心安全のために。ゲーム中に脳震盪が起きる、その場合はハッキリ言ってくれと。エース格の選手でも安全が優先、それで負けたら仕方ないという形でやっている」
ーーアメフトが注目を集めている現状について
「メディアに取り上げられて社会問題化している。こんな形は非常に残念。見れば見るほど、あの危険なプレーは、これからアメフトする人にとって危険と捉えかれられない。40年やってきて、あんなプレーは初めて」
「スポーツ、あの映像でアメフトが危険だと思われるかもしれない。1プレー目で起きたのはアメフトと全く関係ないと伝えている。サッカーでも無防備な選手に意図的にタックルすることはできる、それがたまたまアメフトで起きた話。区別して考えて欲しい」
ーー学生スポーツが混乱している
「我々としてはなぜ、こんなことが起きたのかの真相究明が大事。それが解決につながる」