三菱電機元社員、残業月１００時間超で労災認定 問われる日本企業の働き方
三菱電機、違法な長時間労働で問題
【ニュース】
日本の大手電機会社の一つの三菱電機が違法な長時間労働で問題になっている。
神奈川県の労働局からの労災認定、労働基準法違反の疑いでの書類送検が明らかになった。
日本企業の働き方が問われている。
三菱電機の労働問題事件のニュースまとめ一覧の目次
三菱電機元社員、残業月１００時間超で労災認定（2016年11月25日）
上司からは「お前の研究者生命を終わらせるのは簡単なんだぞ」と言われる（2016年11月25日）
三菱電機と上司を労働基準法違反の疑いで書類送検（2017年１月11日）
きょうのことば：労働災害とは
三菱電機元社員、残業月１００時間超で労災認定 問われる日本企業の働き方
【ニュース】
残業が月１００時間を超える長時間労働で適応障害を発症したとして、三菱電機の社員だった男性（３１）が藤沢労働基準監督署（神奈川県）から労災認定されたことが２５日、分かった。
男性が代理人弁護士らと厚生労働省で記者会見して明らかにした。
認定は２４日付。
（時事通信、2016年11月25日）
「日本企業でまた働かされ過ぎの労災ですか。何百時間も働かせるなんて、日本の経営者たちはおかしいですよ」
「月に100時間の残業時間を経験したサラリーマンは日本にはたくさんいるんじゃないかな。人間関係が良好な職場なら我慢できるかもしれないけど、パワハラ上司との長時間労働はきついね」
「この三菱電機の元社員さんは、上司から『残業は40時間未満でつけろ』と言われていたんですって。日本にこんな会社はたくさんありますよね？」
「残念ながら、残業時間を過少申告する風潮は日本企業に広がっているだろうね。残業代を過少に申告したら許さない、なんて企業風土が広がればいいんだけどね」
上司からは「お前の研究者生命を終わらせるのは簡単なんだぞ」と言われる
【ニュース】
男性によると、普段から上司に残業時間を過少申告するよう指導されていた。実際の残業時間は最大で月１６０時間に上ったが、申告では５９時間だった。
この上司からは「お前の研究者生命を終わらせるのは簡単なんだぞ」と言われるなどのパワハラも受けたという。
（時事通信、2016年11月25日）
「上司のパワハラすごいで。『お前の研究者生命を終わらせるのは簡単なんだぞ』ってめっちゃブラックやん」
「ありえない！ これだから昭和時代の日本企業の文化はダメなのよ」
「昭和時代の日本企業は上司が灰皿を投げつてくるなんてザラだったからね。昭和時代にパワハラを受けて育った世代は、そのまま成長することがある」
「ほんと、日本企業のパワハラ文化はどうすればいいのかしら！？ 部下は上司に従わなければ会社で上手くやっていけないし」
「残業の過少申告、労働時間をきちんと記録しないのは社会にとって悪だとの認識を広めていくしかない。従業員に過度な労働は犯罪だとの法制度を充実させていくべきだろうね」
「仕事がないのに会社に残る従業員、休みが取れるのに有給取らない従業員も問題やないか」
神奈川労働局が三菱電機と上司を労働基準法違反の疑いで書類送検
三菱電機が、うつ病を発症した元社員の男性に違法な長時間労働をさせていたとして、神奈川労働局は、三菱電機と当時の上司を労働基準法違反の疑いで書類送検しました。
元社員の男性は「いちばんきつい時はほとんど休みがなく、１６０時間の残業もありましたが、会社には残業時間を自己申告で低く抑えるよう言われたこともありました。
公衆の面前でどなられたこともあり、自信をなくし、社内で居場所もなくなるという恐ろしさから、長時間働いて挽回するしかないと考えるようになりました」と当時の状況を話しました。
（NHK、2017年１月11日）
「労働局が会社と上司まで書類送検する事態になりましたね」
「労基署の本気がうかがえるね。いままで日本で常態化していた違法残業を取り締まり、雇用契約において法律がしっかりと適用される社会を目指しているようだ」
「書類送検されると会社はどうなるんですか？」
「一般的には法人が略式起訴されて罰金などで事件は終わる。個人が重大な刑を負うことはあまりないね」
「日本中の大企業、中小企業が違法残業に引っかかるんやないか」
「違法残業で大企業が問題になる事件が大きく取り扱われるほど、違法残業は罪であるという正しい認識が広がる。立場が弱くなりがちな従業員を守る法律は日本中で遵守されるべきだね」
きょうのことば
・労働災害とは
労働災害（労災）とは労働者が業務中に、怪我や病気などで障害を持つ災害のことを言う。
一般には労災と呼ばれ、肉体的な負傷ではなく過労死や自殺も経営者が原因だと認められた場合に労災として認定される。
2016年には元電通社員による過労自殺が世間の話題になり、ＮＰＯ法人ファザーリング・ジャパン理事の西村創一朗氏などによる「長時間労働撲滅プロジェクト」が立ち上がっている
