貴乃花親方が相撲協会に退職届 17時から引退の記者会見 ほぼ全文




貴乃花親方が相撲協会に退職届 17時から引退の記者会見 ほぼ全文

元横綱の貴乃花親方が9月25日、日本相撲協会に退職届を出した。

貴乃花親方は昨年の秋巡業で、弟子の貴ノ岩が元横綱・日馬富士から暴行を受けた傷害事件の対応で協会と対立。

その後に弟子の貴公俊の付け人暴行の責任を取り役員待遇から平年寄に降格した。

相撲協会は7月の理事会で全親方を5つの一門に入るように求め無所属を認めないことを決定。

無所属の貴乃花親方は追い込まれる形になっていた。

貴乃花親方の9月25日17時からの記者会見のほぼ全文をリアルタイムで更新する。

会見には貴乃花親方のほか、弁護士も同席した。

目次

要点
冒頭説明
質疑応答

要点、貴乃花親方の引退会見

・9月25日に日本相撲協会に対して引退届を提出した

・暴行事件での告発状を取り下げたものの、内容が事実無根と認めろ、との要請に応えることはできない

・告発状は事実無根と認めろ、との有形無形の圧力があった

・弟子の今後を最優先して自分が引退する道を選んだ

・相撲協会が引退届を受理しなくても相撲協会には残らない

・今後は相撲をはじめる小さな子供たちの指導などをしていきたい

・1人の記者の主張「事実無根と認めろ、は一部の理事だけの考えた方。協会の半分以上は貴乃花親方の味方」




冒頭説明、貴乃花親方の記者会見

・弁護士より冒頭説明

午後1時、日本相撲協会に対して貴乃花の代理人として引退届を提出。

貴乃花部屋の力士の所属先の千賀ノ浦部屋への変更願いも提出した。

正式に提出したのは退職ではなく引退届。

・貴乃花より冒頭説明

私は本日、日本相撲協会に対して年寄を引退する届け出を提出した。

引退の理由は次の通り。

3月9日、貴ノ岩の事件で告発状を提出、その後に弟子の不行き届きもあり、告発状を取り下げたが、内容に真実に反する点はなかった。

その後の降格処分を受け止め一兵卒からスタート、指導や監督の業務に従事してきた。

しかし、8月7日、日本相撲協会より、協会依頼の弁護士から書面が届いた。

告発状は事実無根なものと結論づけられていた。

これに対して書面で告発状の内容は事実無根ではないと説明してきた。

告発状の内容が事実無根なものであると認めないなら親方を廃業せざるを得ないという有形無形の要請を受けてきた。

協会は親方は一門に所属しなければならないとの決定をした。

私は一門に入る理由で告発状は事実無根と認めろと言われてきた。

しかし、告発状は事実無根に基づくものではない。

真実を曲げて告発を事実無根だと認めることはできない。

一方、このままでは私はどの一門に所属できない。

貴乃花部屋にいる力士たちが安心して鍛錬、精進することができない。

このような状況で、力士たちは千賀ノ浦部屋に所属、私は引退するという決断をした。




質疑応答、貴乃花親方の記者会見

ーー告発状は真実とのことだが、圧力はどんなものだったのか
「正式な通達、書類はない。役員のある方から、今場所後半戦にはいり、初めてそのような話を直接に聞いた。告発状を事実無根と認めろと」

ーー8月7日に事実無根と認めろと文書で言われたのか
「その通りです」

ーー横綱引退時は清々しいしいと言っていたが
「苦渋の決断だが、弟子たちの将来を見据えて、断腸の思い。家族からは決断にそうとの言葉はもらっている」

ーー弟子たちと別れる心境は、反応は
「弟子たちが土俵で活躍するのが何より優先という気持ち。力士間で噂話は出ていると思うが今朝、全員と向き合って話をした」
「涙する子たちがほとんどでした。側面から見守っていくと伝えた」

ーー今後は
「土俵に育てられた私なので、土俵に携わっていきたい。相撲部屋に土俵があるので、できる限り土俵は存続のままでいきたい」

ーー15歳から入門してこの決断は辛いのでは、どうしても譲れなかったのは
「告発状が事実無根であると認めることができなかった。相撲人生30年あまり、とにかく弟子たちが萎縮して怪我をしたり、そういうことは避けたいという思いで決断」

ーー協会が引退届を受理しなければ、協会に残るという気持ちは
「ありません」
「相撲には携わっていきたいが、弟子たちが可愛いので、柔らかな気持ちで見守っていきたいという気持ちが強い」

ーー 一門に入らなければ親方になれないと聞いてどう思ったか
「正式な通達もなく、現在に至っている状況。一門に入らなければいけないと正式に決まっていたのであれば、一門の承諾が必要だが、弟子と一緒に貴乃花部屋が存続できるという考えもあった」
「入れるとすればどこかなあ、ぐらいにしか考えていなかった」
「告発状の内容を事実無根と認めろ、これだけは認められなかった」

ーー弟子たちとの関係
「弟子たちがこれから活躍してくれることを願って、それを正面から見て、喜びを素直な気持ちで感じていきたい」

ーー引退という決断は戦いに敗れたということにはならないか
「たくさんの見解はあると思う。ただ、自分が育てた弟子が可愛い。この子たちの栄光、道を作ってあげたい。それだけの気持ち。敗北であっても相撲や土俵に携わって生きていくことを念頭におきたい」

ーー協会の中で戦う、方法はなかったか
「追い込まれていたかもしれないが、戦うという姿勢はない。弟子の育成に集中する。存続できる道を見つけたとしても弟子たちが何らかの形で緊張、プレッシャを受けるのはどうしても避けたいという気持ち」

ーー弁護士と一緒に協会に何か意見するなどあるのか
「ありません」




ーー相撲協会に対して
「若い力ある力士が成長していく姿を作っていただきたい。そう願っている」

ーー弟子たちに一番伝えたい言葉は
「師匠の私がきょうあす、命をたった時でも弟子たちが次に繋げていく、それが部屋の伝統。初代貴乃花から教えられたこと。それだけは伝えていくようにと」
「弟子たちに常々言ってきたこと。食事、稽古場でも。理解してくれると思う」

ーー弟子たちからはどんな希望が
「千賀ノ浦部屋、もともと同じ部屋にいた。全員の要望で千賀ノ浦部屋に行きたいということだった」

ーー土俵に残る、具体的なイメージは
「これから弟子ではなくなるが、師匠ではなくお父さんというのは一生続くと思う。体の鍛え方、伝えていきたいと思う」

ーー新団体をつくる発想は
「ありません。現在はございません」

ーー後悔はないのか
「はい、後悔というより、この先に弟子たちが育っていって、そっちの心配の方が大きい」

ーーどうやって弟子と関わっていくのか
「精神的に支えていきたい。相撲の技、心の持ちよう、常日頃連絡をとりながらやっていきたい」
「千賀ノ浦親方とは阿吽の呼吸でお願いしていきたいと思っている」

ーー8月7日の文書にはどんなものが
「告発状の内容は全て事実無根であると結論付けられていた。理事長名で。巡業部長から手渡し」

ーー口頭での圧力は8月7日なのか
「一門に属さなければ親方になれない、というのは周りから聞かされていた状況。本当なのかなと思っていた。事実無根と認定しろ、とは後に出てきた」
「相撲担当の記者さんから知らされること、親方から電話をもらったりそういう流れ。」
「きょう引退届を出した身なので、粛々と日々を進めていきたい」

ーー弟子は涙ながらということだが、印象に残っていることは
「弟子の一人が、師匠が決められることに軽はずみは発言はできないと、言ってくれたのが印象的」

ーーファンにメッセージもあった、どんな気持ちか
「最終的な決断は今朝。挨拶文は深い意味で書いたわけではないが、そのように捉えられてしまったのは、私なりに千秋楽を終わったのでそんな気持ちだった」

ーー今の気持ちは
「現役、師匠としてやってきたのは全国の支援者、後援者、ファンのおかげでしかない。この思いは生涯、胸に秘めていく。感謝の気持ちでいっぱい」

ーー今までは仲間と一緒にやってきた、今回は一人で去っていくように見えるが
「入門した時は自分の意志で決めた。今回も自分の意志で、あり方を行動にうつさなければという思い」

ーー親方自身の今後は
「具体的なことは何も考えられていない」

ーー倒れた時もあったが過労か、体調は
「いたって元気にやっている。暑さもあったので、まさか自分がそういう状況になるとは思わなかった。目が覚めたら通常の状態でいられたので健康」

ーー千賀ノ浦親方とはどのような関係か
「いつ引退するかわからないし、千賀ノ浦親方に弟子たちはお願いしますと数年前から言っていた。私が倒れた時も含めて、後継者は決めておかなければならないということ」

ーー告発状は取り下げられているが、どのように扱うか
「現在はありません」

ーー八角理事長と納得いくまで話し合うとは思わなかったのか
「正式な通達があればできたかも知れないが、現在まで直接はなかった」
「時間的なものもあり、今週中に年寄総会、理事会があると聞いていたので」

ーー相撲協会にどんな改革が必要か
「力士がいずれ親方、理事長をやる伝統がある。貴乃花部屋の力士を成長させるのが何よりの仕事だと思っていた。親方家業、協会の運営。公益法人になって、精神的な運営も必要なのかなとは思っていた」

ーー親方は誤解しているのではないか、「事実無根と認めなければ協会を出て行け」は協会の一部の理事、役員の考え方だ。親方を応援しているのは半分以上いると思う。結論を急ぐべきではないのでは。これは質問というよりお願いです




ーー協会と価値観の違いは
「価値観というよりも、国を代表するスポーツでもない神技である大相撲をいつまでも残していきたい、それはみんな同じだと思う」

ーー相撲人生を振り返って
「師匠になって15年、関取が3人いてくれて弟子たちが元気な姿で相撲をとれている。そのことに全ての喜びを感じている。弟子を育てる大変さもあるが成長の喜びは何ものにも変えられない」

ーー文書は事実無根と認めろ、貴乃花親方が同意してくれ、というものか
弁護士「親方の気持ちはこの問題をぶり返さないということ。文書に関しては、それを認めなければどうするとは書いていない。ただ、その後、親方は8月末までに、考えを回答しなさいというものがあった」
弁護士「協会は外部の弁護士に意見を求めてやってきたもの。そして、9月13日付で9月27日の年寄総会の呼び出し状、どちらがどっちではないが、いろんなやり取りがあった、詳しい事は話せない」

ーー貴乃花部屋は経済状態がよくないから移転するとの噂もあったが
「全くありません」

ーー弟子の涙を見てどう思ったか
「今まで以上に支えてあげたい、悩みごとがあれば真っ先にきてほしいと伝えた。我が子のような、それ以上の存在」

ーー相撲協会を変えていきたいという気持ちは変わらないのか
「引退届を出したのでそれは叶わぬもの。ただ、弟子たちが大きな怪我もなく成長していくことだけを願っている」

ーー協会とは完全に縁を切るのか
「そいうことになると思います」

ーー外からアプローチしていく手段があるのでは
「現在は全く考えていない」

ーー8月7日の文書の位置づけは
弁護士「告発状を出し、間違っていることがあれば説明くださいと言った。それに対して協会が委託した外部の弁護士、見解として提出いただいている。それに対して8月末までに回答しなさい、概略はそういう経緯」

ーー無念という言葉を使っているが、具体的に
「弟子と寄り添って指導していくことが続けられないのが無念」
「個人で活動したことは無念ではないが、弟子と一緒に同じ釜を食べる、同じ部屋で暮らす事ができないのが無念」

ーー引退以外の道は模索しなかったか
「力士たちの噂話もある。これ以上、弟子たちを萎縮させたくないという思い」

ーー5つの一門から声はなかったのか
「ありました。たんに一門に所属するならできたかもしれないが、告発状について事実無根であるように認める、と役員から言われたので、一門に入る事はできないなと思った」

ーー本心として弟子の育成を続けたいと思っているか
「今もあります。ただ、千賀ノ浦親方は入門した時から面倒をみてくださったかた。その方に託したいという気持ちもある」

ーー事実無根ということを求めてくる理由、原因、背景はどう考えているか
「年寄総会、理事会に向けて急ピッチでされている様子は伺えるが。原因はわかりかねる」
「全てのことに、事実無根なものに基づいているとの文書がきたので、これはどうしても認められなかったこと」

ーー父にどのような報告を
「仏殿があるので、毎日手を合わせて見守ってくださいとお願いしてきたが、きょうここで終わりますと報告したい」

ーーなぜ引退届なのか
「通常で言えば退職届だが、規約にあるのが引退なので」

ーー弟子に圧力があると思った事はあるか
「どこの一門に行くのか、弟子たちの間で噂レベルでも話を聞くと思う。師匠が辛い思いをしているというのが伝わっているのが多々あった。のびのびとやってもらわなければいかんという気持ち」

ーー発端の暴行事件、日馬富士の断髪式があるが
「弟子の貴ノ岩が復帰してくれることだけを祈っている」

ーー公益財団法人のガバナンスのあり方など
「強くなった若い力士たち、相撲に取り組んだ力士たちがすみやすい、親方になっても公益法人として勉強しながら新しい大相撲の発展につながる職責を果たしていける道を作っていただきたい」
「それを前理事長から学ばせていただいた。それが伝統として力士は力士、親方は親方の取り組み、職務を進めてほしい」

ーー暴行事件の時など全般的な協会のガバナンスの不完全さが指摘されているが
「第三者委員会が立ち上げられなかったのは残念なこと。不祥事がないことにこしたことはないが、第三者委員会という外部の目線で相撲協会を担ってほしいと思っている」

ーー今後はどう相撲に関わっていくのか
「入門希望ができるような少年たちに携わっていけば、相撲を教えて行けられれば。入門する子たちを教えていけられれば」

ーー弁護士の方は今後に法的なことを考えていないのか
弁護士「親方からはその都度、報告を受けている。私がはたから見て、親方は本当に強い方。親方の思いはこれまで話された通り。私が話せば何かするのではないかと思われてしまうが、私からみればこの言葉はどうなのかなあというのはある。ぜひお考え頂ければと思います」

ーーなぜこんなことになったのか、納得がいかない人は多い
「大きな点は2点。一門制度で親方が続けられない、条件として告発状を事実無根にしなければならないと役員から言われたので。苦渋の選択ですが、弟子を先に考えた次第」

ーー事実無根と認めろ、は協会のごく一部の意見との見方に対しては
「引退届を提出したので、現在は差し控えたい」






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