ネットギーク「検証されたデマを再拡散」に批判 2016年に出回ったシリアの少女
【シリア内戦で同じ少女が何度も救出されているという噂は専門家が2016年に「ねつ造」だと判定した】
ネットギーク「検証されたデマを拡散」に批判 2016年に出回ったシリアの少女の関連で
バイラルメディアnetgeek(ネットギーク)の安易な記事に再び批判が集まっている。
ネットギークは4月15日、「CNNが報じる「シリアで救出される少女」が毎回同じだと話題に」と報じた。
米メディアのCNNが報じたというシリアの少女救出の報道は同じ対象を何度も使いまわしていると指摘。
ネットギークはCNNに対して「やらせであることは間違いないだろう」、「カメラマンが自身の身の安全を守りながらスクープ写真を撮るには空爆があった場所を背景に、演技した写真を撮るのがベストだ」などと批判した。
このシリアの少女に関する一連の疑惑は2016年後半にネットで拡散、2016年末に中東ジャーナリストの川上泰徳氏が各記事の写真と背景を分析して「ねつ造だ」と判定している。
(参考:シリア内戦:ホワイト・ヘルメットの人命救助を「ねつ造」とするプロパガンダのうそ)
また、2016年のシリア少女関連のデマの発信源はカナダ人でロシアのメディアに寄稿するエバ・バレット氏(Eva Bartlett)であり、イギリスの公共テレビ局「チャンネル4」がファクトチェックを行っている。
(参考:Eva Bartlett’s claims about Syrian children)
さらに「粉じんにまみれ流血メーク」や映画撮影に使う「カチンコ」が捏造の証拠との批判に対しては「映画の撮影現場を捏造写真だとデマに使っている」との報道もある。
(参考:シリア化学兵器「捏造」の証拠写真、実は映画撮影と判明)
ネットギークはツイッターなどで「その記事はデマです」と批判された後、記事内に追記の形式で「1枚は白いヘルメットの男性からチェックシャツの男性に手渡されている写真も見つかった」と内容の根本に問題があると認めた。
このように追記していることから、「同じシリアの少女がやらせで写真をとっていたというネタはガセ」という記事をネットギークが知らなかったことは間違いない。
一方でネットギークは追記の中で「仮に同一日に撮られたものだとしても必ずしもそれがやらせを否定する反証になるわけではないことを付け加えておきたい」と強弁している。
4月15日20時の時点でネットギークの同記事に関するツイッターには2000超のリツイートといいねが集まる一方、記事は削除していない。
ネットギーク、記事の内容に問題と多くの批判
ネットギークは4月15日のシリアの少女に関する記事で「写真はいずれもCNNが報道で初めて公開したもの」としているが、その根拠は明らかでない。
2016年の噂は人命救助にあたる市民組織の民間防衛隊(ホワイト・ヘルメット=WH)への誹謗宣伝だったと見られるが、2018年に入りCNN批判へと変わった可能性はある。
その場合、CNNがシリアの少女の報道について「いつ」「どうやって」「どのように」伝えているかを正確に記載しなければ批判記事の体裁をなし得ないが、ネットギークはそれらについて全く触れていない。
4月15日時点のグーグルでネットギークと検索すると同サイトのほか、以下の記事がトップに出てきた。
「netgeekというニュースサイトのデマや歪曲を一覧化してみたらすごく多かった」
「ネットギーク「TBSの加計報道は数字捏造、謝罪しろ」←現役学部生が降臨、ネットギークの間違いを指摘」
「デマばかり流している「バイラルメディアnetgeek(ネットギーク)」を運営しているのはネトウヨですか?」
グーグルのアルゴリズムはネットギークに厳しい判定を下す記事に高い評価を下している。
ネットギークは4月15日の記事(修正前)の最後に「インターネットが普及する前はこのような手法でも通用したかもしれないが、今はそうはいかない」と断じている。
こちらの記事を読んでああやっぱり…と納得しました。
http://netgeek.biz/archives/115931
こちらの記事において、この会社は撮影者の同意を得ずに写真を無断盗用し、元ツイートとはかけ離れた記事をねつ造しているそうです。さらに写真撮影者のツイッターからの抗議はブロック、コメント欄と問い合わせからの連絡は完全無視をしているようです。