官民ファンド、経産省に反発して取締役9人が辞任 田中社長「報酬1円でも来ていた」 産業革新投資機構
官民ファンド、経産省に反発して取締役9人が辞任 田中社長「報酬1円でも来ていた」 産業革新投資機構
9月25日に改組したばかりの官民ファンド「産業革新投資機構(JIC)」が早々に官と民の間で物別れになった。
産業革新投資機構の田中正明社長は12月10日、社長を含む9人の取締役が辞任する意向だと発表した。
民間出身の取締役が全員辞任、官庁出身の取締役2人は残る。
田中社長は辞任の理由について「経産省の姿勢の変化で私どもが共感した目的を達成することが実務的に困難になった」と述べた。
経産省は9月に田中社長らに報酬案を提示して契約。
1550万円の固定報酬のほか、成功報酬である業績連動報酬を加味すると1億円超という内容だった。
その後に政府内から報酬が高すぎるとの批判が上がってため、経産省は報酬を減額すると発表していた。
田中社長は「この水準の報酬がほしいなどと言ったことは一度もない」と話した。
さらに、業績連動報酬は長期的なもので他のファンドとの比較ではむしろ安い報酬だと指摘したうえで、「私は国のためにこの仕事を選んだのであり、報酬は1円でも来ていた」と説明した。
田中社長はいったん結んだ契約がすぐ変わることについて、政府は法治国家として大きな問題があると批判した。