東洋経済新報社、純利益45%増の7億円 4期連続増益、出版事業が回復
【東洋経済の過去5年間の業績、2015年9月期までは連結決算、2016年9月期以降は単独決算】
東洋経済新報社、純利益45%増の7億円 4期連続増益、出版事業が回復
出版不況が叫ばれる中、古参の東洋経済新報社の業績が回復している。
東洋経済は12月22日、関東財務局長に2017年9月期の有価証券報告書を提出した。
売上高は前期比9%増の114億円、営業利益は35%増の11億円、純利益は45%増の6億9598万円だった。
2012年9月期の1億円の最終赤字から採算の改善が続き、純利益は4期連続の増益だった。
出版不況と言われて紙の雑誌の販売は落ち込むも、インターネットでの「東洋経済オンライン」のページビュー(PV)の増加で広告収入が伸びた。
株式市場が好調で東洋経済が出版する「会社四季報」も堅調だった。
東洋経済オンラインが好調、出版事業の利益伸びる
【東洋経済の過去5年間の業績、出版事業と不動産事業の利益 単位:千円】
「東洋経済の決算は絶好調じゃないですか。紙の出版社の業績はどこも悪いイメージがあったんですけど」
「雑誌の市場は2016年に19年連続のマイナス成長を見せるなど紙の業界全体は厳しい。ただ、東洋経済はネットの雑誌社としてPVを稼ぐ記事を量産している。東洋経済は自身の『東洋経済オンライン』を経済・ビジネス誌情報サイトでナンバーワンの地位だと主張している」
「紙の新聞社と違って不動産事業で利益が増えているわけではないんですね」
「他のメディアと同様に東洋経済も不動産事業が会社全体の収益安定に寄与しているのは間違いない。2017年9月末の賃貸用不動産の含み益(時価と簿価の差額)は18億円もある。ただ、出版事業の収益力がこの5年間で大きく回復した」
「この一ヶ月の記事のPVランキングを見ると1位が『25歳の男が妻の不倫相手に下した凄惨な復讐』、4位が『妥協して結婚した人の半分は後悔している』、5位が『45歳女性が「電撃結婚」で気付いた致命的失敗』です」
「真剣に経済の本質や企業を分析した記事よりも、一般的な話の方が大きく読まれるのは東洋経済オンラインに限ったことではないね。東洋経済も多くの読者を獲得するために色んなジャンルの記事を配信している」
「東洋経済の平均年間給与は2017年9月期で1173万円やんけ。従業員の給料が高い会社なんやなあ」