共同通信の震災報道に批判殺到 「マスコミが二次被害」自覚も遺族を泣かす




共同通信の震災報道に批判殺到 「マスコミが二次被害」を自覚するも遺族を泣かす

共同通信の震災報道に批判が殺到している。

共同通信は6月18日に起きた大阪北部地震の特集の配信を始めた。

震災の取材現場であまり報じられない新人記者の心理を描き、6月28日に第1部「犠牲者の生きた証し」、6月29日に第2部「押せないインターホン」を公表した。

第1部では茨木市で亡くなった高齢者のマンションを最上階から1部屋ずつ訪ね、住民から「人間のやることやないで」と叱られる。

第2部では遺族の代理人弁護士から「マスコミが二次被害を与えている」と叱責されるも、遺族の長女を強引に訪ねて「最後は泣きながら声を絞り出していた」という状況まで追い込んだ。

ネットでは「自己陶酔が酷い。こんな記事は必要ない」と批判の声が一斉に広がった。

「遺族の声や犠牲者の人となりを全国に伝えるのが私たちの仕事」に「頼んでいない」との反論が殺到

連載の第1部では亡くなった高齢者の人物像を調べようとしてマンション住民に執拗に付きまとった結果、記者はマンション自治組合の理事から追い出される。

その場で「遺族の声や犠牲者の人となりを全国に伝えるのが私たちの仕事です」と反論した記者に対して、多くの読者から「そんな仕事は頼んでいない」との批判が殺到した。

震災が起きた時の被害規模や状況を素早く世間に伝える報道に社会的な意義はあるだろう。

ただ、震災で亡くなった犠牲者の人となりを早急に伝える必要があるのか。

震災直後に葬式を開いているような状況で、遺族に無理やりな取材をするべきなのか。

第2部で記者は「被害が限定的だった分、取材が特定の対象に集中し、震災報道は少ないパイを奪い合っているように見えた」と悪質なメディアスクラムの状況を振り返っている。




共同通信、読者の声は聞けない体質 若手記者の立場には同情、上司の圧力疑惑

共同通信は朝日新聞や読売新聞、日経新聞などと違って記事を読者に直接、売っているわけではない。

共同通信は加盟社である新聞社や契約している放送局に対して記事を渡し、それが読者に配信される。

これまでは共同通信がどんな良い記事・悪い記事を配信しても売り上げに直結しない仕組みだった。

ネットが普及する現在まで読者の声を聞けない体質だったのが、共同通信が自己満足的な記事を作り上げる要因の一つだろう。

今回の特集で第2部を担当した若手記者は「インターホンを押すときはいつも『出てほしい』気持ち半分、『お願いだから出ないで』という気持ち半分」と葛藤も記しており、その立場に同情する声も散見される。

ただ、若手記者が疑問を感じつつも取材を続けざるを得なかった裏には上司からの「遺族の声を取ってこい」との圧力の存在も見え隠れする。

共同通信の高橋宏一郎科学部長・原子力報道室長は一連の批判を見てツイッターで「ただただ暗たんたる気持ちになるばかりです」とコメントした。

・この記事の関連リンク

共同通信:【特集】犠牲者の生きた証し 記者が見た大阪北部地震(1)
共同通信:【特集】押せないインターホン 記者が見た大阪北部地震(2)



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